1998 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度酸素性肺傷害におけるスーパーオキシドと一酸化窒素の量的バランスに関する検討
Project/Area Number |
10670560
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷垣 俊守 東海大学, 医学部, 講師 (90246091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 千鶴子 東海大学, 医学部, 講師 (80130079)
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Keywords | 急性肺傷害 / スーパーオキシド / 酸化窒素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ラット摘出環流肺モデルにおけるsuperoxide(O^-)と一酸化窒素(NO)の相対的比率と環流肺の障害程度の関係を評価し、急性肺障害の発土機序を検討することである。Endotoxin(EX)投与によりiNOS発現が亢進するとの報告から、Ex投与下でL-Arginine(Arg)は確実にNO産生を増加させると考えられたので、急性肺傷害モデルとして今年度はExによるモデルに変更して基礎的デ タをとることとした。来年度はこの結果をもとにして、高濃度酸素についてin vivoモデルを用いて検討する予定である。 SPFラットを(G1)生食+高濃度L-Ar環流群(3inM)、(G2)Ex+高濃度L-Arg環流群、(G3)Ex^+低濃度L-Arg環流群(0.1mM)の3群(各群n=6)に分け、NOの基質であるL-Arg環流濃度を変えることによりNO産生量の調節を図った。生食またはEx3mg/kgを静注後6時間目に肺を摘出し、環流した。惹起された肺障害の程度の評価は環流液のLDH活性で行い、NO産生量は環流液巾NOx濃度をGriess反応で測定した。O_2産生量に9いてはxanthine-xanthine oxidase系をO_22^-generatorとしてMCLAと共に環流し、左肺のchemiluminescenceを測定した。結果は、Gl、G2、G3の順で次の通りであった(平均±標準誤差,‘GlとG3に比べ有意差あり,p<0.02)。LDI-1(U/L)は、52.0±4.2,72.0±6、0',53.6±1.9。NOx(x10^4 M)は、4.08±0.70,6.55±0.53',4.50±0.36。Photon Count(% Change)は、130.9±5.0,147.7±7.3,147.1±4.7。以上の如く、Ex投与によりO_2^-産生量は増加する傾向を認めたが有意差は認められなかった。又、G3ではGlに比してNO産生量が若干増加していたものの有意な肺傷害は認められなかった一方で、G2ではNO産生量の有意な増加と共に肺傷害が認められた。従って、過剰なNO産生は急性肺傷害に対して有害に作用することが推察された。
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