1998 Fiscal Year Annual Research Report
気道上皮細胞の一酸化窒素合成酵素遺伝子の誘導によるClチャネル機能の調節
Project/Area Number |
10670563
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60147395)
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Keywords | 気道上皮細胞 / 一酸化窒素 / イオンチャネル / パッチクランプ / 遺伝子発現 / 気道分泌 / 気道炎症 / 喘息 |
Research Abstract |
1. ヒト気管支培養上皮細胞のパッチクランプ:単離したヒト上皮細胞にパッチクランプ法(whole cell clamp,inside-out patch)を適用し,Clチャネルの開確率を測定した.その結果,NO産生刺激薬である高Ca^<2+>溶液とブラディキニン,あるいはNOドナーであるs-nitroacetyl-peniillaine(SNAP)やニトロプルシドを細胞内液に添加すると,単一Clイオンチャネル電流の発生がみられ,Clチャネル開確率は増加した.また,その効果はL-NAME,アミノグアニジン,クロルプロマジンの存在下で抑制されたことより,iNOSの関与が示唆された. 2. 気道上皮由来のNOの測定:NO選択電極と比較電極を培養気道上皮細胞の灌流液に浸漬し,上記薬剤の投与によって発生する拡散電流をNOメーターにてモニターし,ポーラログラフィーの手法を適用しNO産生を直接測定した.ブラディキニン,ニトロプルシドは,いずれも用量依存的にNO産生を増加させ,以上の反応はL-NAMEおよびアミノグアニジンによりほぼ完全に消失した. 3. NOSサブタイプの決定:あらかじめ気管支摘出組織標本に対しNADPH diaphorase活性の組織化学を施行し,気道上皮細胞におけるNOSの局在が確認された.次いで,コンフルエントとなった培養上皮細胞を用い,cNOS,iNOS各々のモノクローナル抗体にて免疫蛍光抗体法を行った結果,ブラディキニンとニトロプルシドはiNOS蛋白の発現を誘導することが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 玉置 淳: "気道分泌亢進と粘液線毛輸送障害" 日本薬理学会誌. 111. 257-263 (1998)
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[Publications] 玉置 淳: "肺胞マクロファージにおけるiNOS遺伝子の発現とNO産生に対するマクロライドの効果" Japanese Journal of Antibiotics. 51. 12-14 (1998)
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[Publications] 玉置 淳: "気道分泌亢進の病態生理と新しい治療法の開発" 呼吸と循環. 46. 419-420 (1989)