2000 Fiscal Year Annual Research Report
高浸透圧及び低温刺激による気管上皮細胞のサイトカイン発現と細胞内シグナルの解析
Project/Area Number |
10670565
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀江 孝至 日本大学, 医学部, 教授 (60090081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 修 日本大学, 医学部, 講師 (30159090)
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Keywords | 気管上皮細胞 / 高侵透圧 / 運動誘発性喘息 / サイトカイン / p38 MAPキナーぜ / JNK |
Research Abstract |
平成11年度までは、高浸透圧、低温/再加温により少なくともp38 MAP kinaseを介して気道上皮細胞はinterleukin-8(IL-8)を発現することを明らかにした。高浸透圧、低温/再加温刺激によりc-Jun-NH2-terminal kinase(JNK)も活性化されており、このkinaseの関与が明らかではなかった。本年度は、JNKの関与を明らかにすること、さらに、臨床的に気管支喘息の治療に広く使用されている吸入ステロイドの高浸透圧、低温/再加温刺激による気道上皮細胞のIL-8、RANTES発現に及ぼす影響を明らかにすること、を目的とした。 高浸透圧、低温/再加温で気道上皮細胞を刺激し、p38 MAP kinase,JNKの活性をWestern blotで解析し、p38 MAP kinaseの特異的阻害薬SB 203580、JNKの特異的阻害薬CEP-1347のキナーぜ活性への影響を検討した結果、高浸透圧、低温/再加温による気道上皮細胞のIL-8,RANTES産生はp38 MAP kinaseのみならず、JNKによっても制御されていることが明かとなった。また、吸入ステロイドは高浸透圧、低温/再加温による気道上皮細胞のIL-8,RANTES産生を抑制した。このような細胞内シグナルの解析は病態形成の機序の解明のみならず、分子標的治療を考える上で重要であり、治療への応用が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 橋本修,堀江孝至: "Inhalant corticosteroids inhibit hyperosmolarity-,and cooling and rewarming-induced IL-8 and …"Am J Respir Crit Care Med. 162(3). 1075-1090 (2000)
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[Publications] 橋本修: "大気環境と肺疾患、大気環境とアレルギー性炎症、"呼吸と循環. 48. 661-666 (2000)