1999 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答に関与する中枢神経機構:遺伝性高血圧ラットと正常血圧ラットの比較
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10670573
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
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Keywords | 遺伝性高血圧ラット(SHR) / 正常血圧ラット(WKY) / 循環 / 高血圧 / ストレス / アペリン |
Research Abstract |
高血圧とストレスとの関係について、その中枢性機序を研究テーマとしている中で、最近、アペリン(apelin)と名付けられたペプチドが注目されている。このペプチドはラットなどの動物の血管平滑筋や脂肪細胞などに所在することが知られてきた。このペプチドの生理作用を調べていくうちに循環などへの生理効果が見いだされたことから、その作用を急いで調査する必要性が生じた。そこで、循環反応に及ぼすアペリンの作用と、その作用の高血圧ラットと正常血圧ラットに及ぼす作用の違いについて調べた。その結果を以下に記す。 1 アペリンには類似関連ペプチドとしてapelin9、apelin10、apelin11、apelin12、apelin13、apelin36などがあるが、麻酔下ラットでこれらペプチドを静脈注射(静注)投与すると、apelin12、apelin13、apelin36静注において血圧の降下作用が観察された。apelin9、apelin10、apelin11静注では循環応答は見られなかった。降圧効果が最も強く観察されたのはapelin12の静注であった。 2 Apelin12を遺伝性高血圧ラット(spontaneously hypertensive rat,SHR)と正常血圧ラット(Wistar Kyoto rat,WKY)への静注投与による降圧効果は、SHRがWKYよりも有意に大きいことが分かった。 apelin12の静注投与がどのような機序で降圧効果をもたらすのか、また、apelin12と肥満との関係、高血圧発症とどのように関係するのか、ストレスと中枢性にどのように関係するのかについての調査が進行中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Xiong,Y.,Okada,J.,Tomizawa,S.,Takayama,K.,Miura,M.: "Difference in topology and numbers of barosensitive catecholaminergic and cholinergic neurons in the medulla between SHR and WKY rats"Journal of the Autonomic Nervous System. 70. 200-208 (1998)