1999 Fiscal Year Annual Research Report
培養末梢神経神経内膜由来内皮細胞を用いた血液神経関門の分子細胞学的研究
Project/Area Number |
10670578
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University, Graduate School of Medicine |
Principal Investigator |
神田 隆 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40204797)
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Keywords | 血液神経関門 / 血液脳関門 / サイトカイン / 血管内皮細胞 / 抗ガングリオシド抗体 / 炎症性ニューロパチー |
Research Abstract |
培養PnMEC(peripheral nerve microvascular endothelial cell)を用いたin vitroのBNBモデルがほぼ完成した。研究代表者が開発した方法(Kanda T et al.:J Neurosci Res,1997)によって成牛馬尾からPnMECを分離し、これをI型コラーゲンを塗布した孔径0.4μmのculture insert上に培養した。このモデルを用いて、以下の事項が明らかになった。(1)末梢神経血管周細胞は膜抵抗を有意に上昇させることから、BNBにおいては周細抱がバリアー機能の発現に関与している可能性を考えた。BBBの機能維持に星状膠細胞が必須であるのと同様にBNBの機能発現に周細胞が必要であることを明らかにした最初の報告である(Iwasaki T et al.:J Med Dent Sci 1999)。(2)各種炎症性ニューロパチーにおいて病態発現に関与していると考えられている各種サイトカイン(VEGF,lL-1β,TNFα、TGFβ)によって、このBNBモデルの膜抵抗の有意な低下と放射性イヌリンの膜透過性の有意な亢進を確認した。また、各サイトカインの作用の最強点には時間的なずれがあり、すべてのサイトカインがBNB透過性亢進にあたって同一の挙動をするわけではないことが示唆された。(3)抗GM1モノクロナル抗体はBNBモデルの膜透過性を亢進させ、膜電気抵抗を低下させることを明らかにした(Kanda T et al.:Neurology投稿中)。現在、各種ニューロパチー患者血清を用いた膜透過性実験、および膜透過性を変化させる細胞内シグナルのメカニズムについての研究が進行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Iwasaki T, Kanda T, Mizusawa H: "Effects of pericytes and various cytokines on integrity of endoneurial monolaver oriqinated from blood-nerve barrier: an vitro study"Journal of Medical Dental Sciences. 46(1). 31-40 (1999)
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[Publications] Kanda T, Yamawaki M, Iwasaki T, Mizusawa H: "Glycospphingolipid antibodies and blood-nerve barrier in autoimmune demvelinative neuropathy"Neurology. 54(3). in press (2000)
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[Publications] 岩崎孝之、神田 隆、水澤英洋: "In vitro モデルをもちいた血液脳関門及び血液神経関門の研究"脳の科学. 21. 553-556 (1999)
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[Publications] Kanda T, Iwasaki T, Nakamura S, Ueki A, Kurokawa T et al.: "FGF-9 is an autocrine/paracrine neurotrophic substance for spinal motoneurons."International Journal of Developmental Neuroscience. 17(3). 191-200 (1999)