1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の遺伝子発現プロファイリングによる病態関連分子の同定
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10670582
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
道勇 学 名古屋大学, 医学部, 講師 (90293703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章景 名古屋大学, 医学部, 医員
祖父江 元 名古屋大学, 医学部, 教授 (20148315)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 分子インデックス法 / 遺伝子発現プロファイル / 運動ニューロン死 / 新規遺伝子 / リングフィンガーモチーフ / ユビキチン系 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロンの系統選択的神経細胞死をきたす疾患であり、その分子機構については未だ明らかでない。これまで我々はALSの脊髄前角病変における遺伝子発現の変化を分子インデックス法を用いてプロファイリング化し、ALSにおける神経変性の分子病態を反映していると考えられる発現変化を示した遺伝子群について検討してきた。今年度は、これらの中、2つの新規遺伝子(FI39AおよびFI58G)の完全長cDNAの取得に成功し、各組織の発現分布あるいは細胞内局在などについて検討した。FI39A cDNAは全長4.4kb、ORFより予測される838残基のアミノ酸配列のN末側にユビキチン系に関与するRing finger/IBR motif、その前後にbipartite nuclear localization signal(NLS)を有していた。ノーザンブロット解析では各臓器にubiquitousに発現していた。ISHでは、mRNAの発現はALS脊髄前角運動ニューロンを始めとする神経細胞およびグリアに見られた。FI39AをGEP融合蛋白としてCOS7に強制発現させたところ、ERもしくはゴルジ装置と推定されるperinuclearな局在をとっていた。FI58G cDNAは全長約1.8kbで、219アミノ酸残基からなるORFを有していた。既知の蛋白にhomologyは持たないが、内部に核移行シグナル(NLS)が存在し、培養細胞内では核内に局在する蛋白であった。ノーザンブロット解析では中枢神経および心筋・骨格筋に多く発現していた。今後これらの新規遺伝子/蛋白がALSの病態形成メカニズムにいかに関与するかについて更なる検討が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayakawa K.et al: "Nerve growth factor prevention of aged-rat sympathetic neuron injury by cisplatin,vincristine and taxol- in vitro explant study."Neuroscience Letters. 274. 103-106 (1999)
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[Publications] Tanaka F.et al: "Tissue-specific somatic mosaicism in spinal and bulbar muscular atrophy is dependent on CAG-repeat length and androgen receptor-gene expression level."American Journal of Human Genetics. 65. 966-973 (1999)
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[Publications] 道勇 学 他: "分子インデックス法 (Molecular indexing)"CLINICAL NEUROSCIENCE. 17・4. 366-367 (1999)