1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670588
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 猛 九州大学, 医学系研究科, 助教授 (50230462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷脇 考恭 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80284496)
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Keywords | 副腎白質ジストロフィー / ノックアウトマウス / 極長鎖脂肪酸 / ペルオキシソーム / ミクログリア / ロバスタチン / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
副腎白質ジストロフィー(ALD)の病態の解明と治療法の開発を、ALD遺伝子ノックアウトマウスを用いて行った。ALD蛋白(ALDP)欠損細胞で極長鎖脂肪酸(VLCFA)CoA合成酵素(VLACS)のみの発現を増強してもVLCFAのβ酸化の促進がみられなかったことから、VLCFAのβ酸化においてVLACSが機能を発揮するためにはALDPが必要と考えられた。細胞分画の分析で、VLACSのペルオキシソームへの分布がALDP欠損組織では減少していたことから、ALDPはVLACSがペルオキシソームに分布する過程に働いていると考えられた。ALD発症に関与する因子として炎症細胞に注目して、ALDP欠損がミクログリアの活性化に及ぼす影響を検討したが、インターフェロン-γ/リポポリサッカリドによるミクログリアとマクロファージの活性化は、ALDP欠損によって促進されることはなかった。ALDの治療法開発の一環として、ALD患者で血漿中VLCFAを低下させると報告されたロバスタチンの組織内のVLCFA蓄積に対する効果を評価するために、ALDP欠損マウスにロバスタチンを投与した。しかしながら、脳脊髄を含めた組織中のVLCFAの蓄積は改善されなかった。神経幹細胞の脳内移植治療を試みた。レトロウイルスベクターによりALDPを発現させたC17-2細胞を新生マウスの脳室内に投与したが、定着細胞数が少なく脳全体としてのVLCFA蓄積の改善効果は認められなかった。
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[Publications] Yamada T, et al.: "Adrenoleukodystrophy protein enhances association of very long-chain acyl-coenzyme A synthetase with the peroxisome"Neurology. 52. 614-616 (1999)
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[Publications] Taniwaki T,Yamada T, et al.: "Ceramide induces apoptosis in immature cerebellar granule cells in culture"Neurochem Res. 24. 685-690 (1999)
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[Publications] Nagano S,Yamada T, et al.: "Expression and processing of recombinant human galactosylceramidase"Clin Chim Acta. 276. 53-61 (1998)
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[Publications] 山田 猛: "アドレノロイコジストロフィー"生体の科学. 50. 375-376 (1999)