1998 Fiscal Year Annual Research Report
ダニ感染はGuillain-Barre症候群の原因となるか
Project/Area Number |
10670599
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
野村 恭一 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70159086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 正敏 埼玉県衛生研究所, 科長
吉田 裕 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00265422)
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Keywords | ダニ / 実験的アレルギー性神経炎 / Guillain-Barre症候群 / P2蛋白 / 細胞性免疫 / 神経病理 |
Research Abstract |
末梢神経ミエリン(PNS-M)のP2蛋白(P2)は、実験的アレルギー性神経炎(EAN)催起性蛋白として知られ、このP2とBlomia tropicalis(熱帯タマニクダニ)とに相同性があることを発見した。そこで本邦にも生息する同種ニクダニ科のGlycyphagus domesticus(GD)を飼育し、EAN催起性の有無について検討した。さらに、この相同性を有するP2アミノ酸配列55-76(P2-SP)とダニrecombinant allergenアミノ酸配列54-75(ダニ-SP)をそれぞれ合成し、EAN抗原性、病理組織、細胞性免疫状態について検討した。 (1) ダニEANの作成:GDダニすり潰し、ダニ-SPをラット接種することにより、PNS-MによるEANと同様な両下肢麻痺を示すEANを認めた。また、馬尾神経の病理所見ではGD、ダニ-SP接種のいずれの群においても明らかな細胞浸潤を認めた。 (2) ダニEANにおけるP2、各種P2合成ペプチド(SP)に対する細胞性免疫の検討:PNS-M、P2-SP接種EAN群では、P2のSP53-78、SP60-78に対する特異感作T細胞を認め、同様にGD、ダニ-SP接種EAN群でも同抗原に対する特異感作T細胞の出現を認めた。 (3) Guillain-Barre症候群(GBS)患者におけるP2、各種SPに対する免疫応答:7/17(41%)GBSにおいてP2特異感作T細胞を疾患活動期に認め、このP2特異感作T細胞はP2のSP53-78、SP60-78に対して反応することを確認した。ダニ抗原に対する免疫応答では、最近のGBS4例中2例においてダニ-SP特異感作T細胞を認めた。 平成11年度は、GDダニ体内のどの部位にP2と相同性を有する蛋白が存在するか、GBS症例におけるダニ感染との関連性をさらに検討する予定である。
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Research Products
(2 results)