1998 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄性筋萎縮症原因遺伝子産物、SMNの結合蛋白質の機能と神経特異的スプライシング
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10670619
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
塚原 俊文 国立精神・神経センター, 神経研究所, 研究員 (60207339)
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / SMN / RNAスプライシング / スプライシング因子 / SRタンパク質 / スペックル / P19細胞 / GluR2遺伝子 |
Research Abstract |
SMA原因遺伝子産物、SMNはRNAスプライシングに関与していると考えられる。そこで、神経特異的RNAスプライシングと病態の関わりを解明する端緒として、神経特異的なスプライシング因子遺伝子を検索し、NSSRlおよび2遺伝子を単離した。NSSRlおよび2は共にSRタンパク質という既知のスプライシング因子と高い相同性を示した。ノーザンプロットの結果、これら遺伝子は脳と皐丸に多く発現しているが他の臓器にはほとんど発現していなかった。また神経やグリアへの分化が可能なP19細胞の系で調べたところNSSR2には恒常的な発現が見られたがNSSRlは神経細胞でのみ発現している事が示された。特異的な抗体を得て行ったウエスタンプロットの結果もノーザンプロットの結果を支持しており、神経でのみNSSRlの分子量に相当するバンドが見られた。また、GFPとの融合タンパク質を作製して細胞内局在を調べたところ、SMNと同様に核内にスペックル状に存在していた。以上の結果はNSSRlが神経特異的なSRタンパク質であることを示唆していた。 実際、HeLa細胞の核エクストラクトを用いてβ-トロポミオシン遺伝子のRNAスプライシングをin vitroで調べたところ、リコンビナントNSSRlおよび2は共にスブライシング活性を上昇させることがわかった。また、非神経細胞であるNIH3T3細胞でみられる強制発現させたAMPA型GluR2のゲノム遺伝子断片のスプライシング異常が、NSSRlを共発現によって抑えられることも示された。さらにNSSRlおよび2の影響は互いに抑制的であることも示された。以上の様に、NSSRlは神経特異的なSRタンパク質としては世界で初めて同定された遺伝子であり、お互いの活性を抑制するSRタンパク質が同一のゲノム遺伝子の産物であるという結果もこれまでに例を見ないものである。これらの結果は神経の選択的スプライシングがどの様にして制御されているかを明らかにする上で最初の第一歩となる成果であり、さらにSMNの変異がどの様な機序で神経細胞死をもたらすのかを解明する端緒となる。
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[Publications] Yukiko K.Hayashi 他: "Mutations in the integrin 7 gene cause congenital myopathy." Nature Genetics. 19. 94-97 (1998)
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[Publications] Eriko Fujita 他: "Wortmannin enhances activation of CPP32(Caspase-3)induced by TNF or anti-Fas." Cell Death and Differentiation. 5. 287-297 (1998)
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[Publications] Yoriko Kouroku 他: "RA70 is a Src kinase-associated protein expressed ubiquitously." Biochem Biophys Res Commun.252. 738-742 (1998)
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[Publications] Shinichiro Kubo 他: "Presence of emerinopathy in cases of rigid spine syndrome." Neuromusc Disord.8. 502-507 (1998)