1999 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患における糖輸送担体の発現調節機構と遺伝子治療への応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
10670633
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣江 道昭 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80101872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10232464)
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Keywords | GLUT1 / GLUT4 / Hypoxia |
Research Abstract |
心筋におけるGlucose transporter(GLUT)の主なアイソフォームであるGLUT1およびGLUT4が、ともに虚血および低酸素状態において増加することが、本研究におけるin vivoおよびin vitro実験により示された。これは、障害心筋でのエネルギー産生代償機構と考えられる。GLUT1およびGLUT4の発現亢進の機序として、ラット培養心筋細胞を用いた検討から、mRNAレベルでのup regulationが重要であると考えられる。両GLUTmRNAの低酸素誘導性増加は、1)タンパク合成抑制剤であるcycloheximide前処置、2)protein kinase C阻害薬であるH7、あるいは3)細胞内Ca^<2+>([Ca^<2+>]_I)キレーターであるBAPTA-AM、などにより抑制されることから、低酸素下のde novo protein synthesis、protein kinase C活性亢進、[Ca^<2+>]_I上昇を介する機序によりもたらされるものと考えられた。 一般に、低酸素応答性遺伝子の低酸素誘導性発現亢進の機序として、転写因子hypoxia-inducible factor 1α(HIF1α)の発現量および核内移行増加により、promoter活性が亢進することが必要である。本研究において、低酸素誘導性HIF1α発現量増加は、BAPTA-AM前処置により抑制された。さらに、GLUT1 promoter-Luciferase plasmidをtransfectした後に低酸素曝露した心筋細胞においては、GLUT1活性は約1.5倍に上昇するが、これもBAPTA-AM前処置により抑制された。以上より、低酸素曝露時にHIF1α蛋白量が、[Ca2+]i上昇を介する機序により増加し、この結果GLUT1遺伝子promoter活性が亢進することでGLUT1遺伝子発現が亢進するものと考えられた。
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