1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670643
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平井 真理 名古屋大学, 医学部, 講師 (90242875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 建治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
村松 喬 名古屋大学, 医学部, 教授 (00030891)
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Keywords | 動脈硬化 / 成長因子 / 炎症 / ノックアウトマウス / 分子生物学 |
Research Abstract |
ヘパリン結合性成長因子ミッドカイン(MK)はPTN/HB-GAMと50%のホモロジーを有し、独立したファミリーを形成する。現在までにMKは神経の生存、分化、組織修復、発生、がんなどに深く関与していることが明らかになっている。今回我々は動脈硬化、あるいはコロナリーインターベンション後の再狭窄とMKとの関連を解明するためラット頚動脈障害モデル及びマウス頚動脈内膜肥厚モデルを作製し、解析を行った。ラット左頚動脈血管内皮を2F Fogarty balloonにて剥離し、障害後3時間、3日後、7日後、14日後に血管を採取した。MKの発現はRT-PCR、Competitive PCR、Western blot、免疫染色法にて評価した。マウス頚動脈内膜肥厚モデルは外頚動脈・内頚動脈分岐部近位側で結紮することにより作製し、MKノックアウトマウスと野生型マウスとの間で新生内膜の増殖の程度を比較した。さらに、MKノックアウトマウスにおいてMK(0.21mg/Kg/h)を頚動脈結紮後から浸透圧ポンプにより持続注入しヒトアルブミンおよび生理的食塩水を持続注入したMKノックアウトマウスを対照として頚動脈新生内膜肥厚の程度を比較した。その結果、ラットモデルにおいて、MK RNAの発現は7日後に約10倍に増加し、14日後ではやや弱くなったものの強い発現が持続していた。MK蛋白もMK RNAと同様な発現の時間経過を示した。免疫染色法では7日後と14日後の新生内膜に強いMKの発現を認めた。MKノックアウトマウスの新生内膜の増殖は野生型マウスに比べ著明に減少した。さらにMKの浸透圧ポンプによる持続注入によりMKノックアウトマウスでも野生型に近い新生内膜肥厚を認めた。これらの結果から、MKは血管障害により誘導される新生内膜の形成に必須の蛋白であることが示された。
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