1998 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンによる血管平滑筋細胞の遊走と増殖の制御機構
Project/Area Number |
10670657
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部, 講師 (10177678)
谷口 隆弘 神戸大学, 医学部, 講師 (20263379)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 / 細胞遊走 / レプチン |
Research Abstract |
【方法】細胞はラット胸部大動脈由来平滑筋細胞を用い、leptin蛋白はヒト脂肪組織よりRT-PCR法にて得たleptin cDNAをtransformしたE.coliより精製した。 OB-R蛋白の発現は抗ラットOB-R抗体を用いたWestern blot法にて検出した。細胞増殖はcrystal violet染色法で、遊走活性はmodified Boyden's chamber法にて評価した。MAPキナーゼのリン酸化と活性はWestern blot法とゲル内リン酸化測定法にて評価した。Pl3キナーゼ活性は抗phosphotyrosine抗体免疫沈降物を用いphosphatidylinositolを基質として測定した。【結果】1.VSMCにおいてOB-R蛋白の発現を認めた。2.Leptinは濃度依存的に細胞数を増加させた(約20%)。3.Leptinにより約3倍の遊走活性亢進が見られた。4.MAPキナーゼのリン酸化と活性の亢進はleptin刺激后10分でピークが見られた(約3倍)。5.Pl3キナーゼ活性の亢進はleptin刺激后5分でピークに達し(約14倍)、その効果は20分まで見られた。6.Leptinによる遊走活性亢進はPl3キナーゼinhibitorであるwortmanninとLY294002で抑制された。【総括】VSMCはOB-Rを発現しており、1eptinがVSMCに対し増殖、遊走を誘導したことから動脈硬化において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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