1999 Fiscal Year Annual Research Report
PTH及びPTHrPは心血管系にどのような作用を及ぼすか?-心血行動態に対する生化学的機序及び心筋におけるcーfos発現との相互作用の解明
Project/Area Number |
10670659
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
荻野 和秀 鳥取大学, 医学部, 講師 (70294311)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / 陽性変事作用 / 血管拡張作用 / フラグメント |
Research Abstract |
研究目的は副甲状腺ホルモン(PTH)のfragmentの心血管作用の違いを検討することである。 ラット摘出灌流心を用いて以下の検討を行った。Full length PTH(1-84)は濃度依存性に陽性変時作用と血管拡張作用を示した(p<0.05)。PTHの84個のアミノ酸のどの部位が生理活性を有するか検討するために、PTH(1-34)、PTH(2-34)、PTH(3-34)、PTH(4-34)、PTH(7-34)、PTH(13-34)の計6種類のPTH fragmentを用いてさらに検討した。 1.PTHの血管拡張作用にはN末端(1-3)が重要である。 8.1nmolのPTH(1-34)、PTH(2-32)、PTH(3-34)は、PTH(1-84)と同様に冠動脈拡張作用を示したが、(p<0.05)、PTH(4-34)、PTH(7-34)、PTH(13-34)は示さなかった。10倍量(81nmol)のPTH(4-34)においても血管拡張作用を示さなかった。 2.PTHの陽性変時作用にはN末端(1)が重要である。 PTH(2-34)、PTH(3-34)、PTH(4-34)、PTH(7-34)、PTH(13-34)は陽性変時作用を示さず、PTH(1-34)のみが心拍数を増加させた(p<0.05)。10倍量(81nmol)のPTH(2-34)、PTH(3-34)においても陽性変時作用を示さなかった。 以上の結果より、PTHの血管拡張作用にはPTHのN末端の3個のアミノ酸が重要であり、陽性変時作用にはN末端の1個のアミノ酸が重要であると考えられた。今後、PTHの陽性変時作用および血管拡張作用の機序について検討していく予定である。
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