2000 Fiscal Year Annual Research Report
経皮的血管形成術後の再狭窄に対する局所薬物注入によるアポトーシスの誘導の効果
Project/Area Number |
10670680
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Research Institution | AICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
脇田 康志 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90201152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 将史 愛知医科大学, 医学部, 助手 (20298582)
尾崎 行男 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50298569)
池田 洋 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (00131219)
福田 元敬 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50247722)
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Keywords | 再狭窄 / アポトーシス / デリバリーバルーン |
Research Abstract |
ハイブリッド犬を、thiopental sodiumで麻酔導入後、輸液ポンプを用いて維持麻酔を行った。気管内送管後、呼吸管理を行い、頚部を悌毛後Isodineで消毒し、以後無菌的操作を行った。左内頚動脈を剥離し、ヘパリン5000IUを静注した。同部より、8F右冠動脈用ガイドカテーテルをガイドワイヤーとともに透視下に、右または左大腿動脈へ進め留置した。大腿動脈の血管撮影を施行し、膝窩から鼠徑部の血管径の1.3〜1.5倍径をもつ冠動脈形成術用のバルーンカテーテルを選択し、デリバリーカテーテルを装着した状態で大腿動脈内に挿入した。まず、一側の大腿動脈を対照とし、血管形成用バルーンを8気圧で30秒間膨隆させ、一分間隔で3回繰り返した。同様の操作を同側大腿動脈近位部で繰り返した(C群n=14)。その後、反対側の大腿動脈で、同様の操作を行った後、デリバリーバルーンカテーテルを血管形成術用バルーン上にかぶせ、同位置で2気圧で膨隆し、ONO-4007 0.05mg/ml(LD群n=3)または0.5mg/ml(HD群n=11)を計5ml、2気圧の注入圧で局所に注入した。カテーテル類を抜去後、頚動脈を縫合修復し麻酔より覚醒させた。2週後または一ヶ月後に、大腿動脈を摘出しホルマリン固定を行った。摘出組織をHE染色し、短軸断面像をコンピュータplanimetryにより総血管面積(VA)に対する中膜面積比(M/V)、内皮面積(%I)および最大内皮肥厚径(max I)を測定した。VA、M/Vは各群にて差を認めなかった。%Iは、HD群で2.8±3.3%とC群(6.4±3.4%)より有意に減少していた。また、max IはC群の128±104μmに比してLD群で66±61μm(p<0.05)、HD群で51±22μm(p<0.01)と有意に減少していた。新生内皮内におけるTunel陽性細胞数は治療群で71±14でありC群の13±5に比して有為に増加していた。これらの結果から血管損傷局所へのONO-4007注入によるアポトーシスの誘導はその後の内皮の増殖に拮抗的に働き経皮的血管形成術後の再狭窄を予防する可能性が示唆された。
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