1998 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞急性期の脳性利尿ペプチド(BNP)が左室再構築に与える影響
Project/Area Number |
10670684
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岩坂 壽二 関西医科大学, 医学部, 教授 (00098120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 久子 関西医科大学, 医学部, 講師 (60201638)
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Keywords | 心臓利尿ペプチド / 心筋梗塞 / 左室再構築 |
Research Abstract |
平成9年12月より平成10年12月までに初回心筋梗塞例で当院に入院した98例中3日目までの死亡例などを除いた84例でBNP、ANPの測定を行ない、このうち55例で発症14日目の左室駆出率を測定し得た。 平均年齢は61±11才、男性82%、前壁梗塞55%、急性期再潅流療法65%、糖尿病46%、高血圧42%であった。発症後3日目、7日目、14日目のBNP、ANP濃度を表に示す。 @JA01HY 発症後1年目の心エコー記録が実施されたのはまだ少数であり左室再構盛の評価には至らない。しかし、発症早期の心拡大の指標である発症後14日目の左室拡張末期容量は、梗塞量の指標であるpeakCK値、BNP値に関係する年令、血清クレアチニン値を重回帰分析で補正したモデルにおいて、発症後3日目、14日目のBNP高値と有意に関係した(p=0.0252、p=0.0015)。急性期左室拡張末期容量は左室再構築の強い予測指標であり、従って、現在のところ急性期のBNP高値は左室再構築を抑止するのではないかという私達の仮説は否定的で、むしろ左室早期拡張を来たすような重症例での2次的な反応という可能性が強い。 今後、平成10年度の患者での発症後1年における心エコー記録を開始し、平成11年度の患者で上記の測定を繰り返す予定である。
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