1999 Fiscal Year Annual Research Report
犬心筋由来のカリクレイン様酵素のクローニングおよび発現調節・細胞内局在の検討
Project/Area Number |
10670692
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
笹栗 学 福岡大学, 医学部, 講師 (00178675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 慶太 福岡大学, 医学部, 講師 (70289536)
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Keywords | カリクレイン / キニン / アンジオテンシン / キニン・テンシン系酵素 |
Research Abstract |
アンジオテンシン変換酵素阻害薬の心臓保護作用の機序のひとつとして局所キニン分解阻害作用によると考えられているが、心臓におけるキニン産生酵素は同定はされてなかった。我々は犬心筋から組織カリクレイン様酵素の精製を行い、この酵素が分子量約6万5千の糖蛋白で,キニン産生のみならずアンジオテンシン(Ang)IをAngIIに変換する活性を有することを明らかにした(J Hypertens15:675-682,1997)。 我々は以前、降圧系酵素である組織カリクレインがキニン産生のみならず、AngIをAngIIに変換するという事実を明らかにし、キニン・テンシン系と命名した。この酵素もこの系に属する。その存在をWestern blotで検討した結果、大心臓以外に胸部大動脈、腎臓、膵臓、小腸、骨格筋にその存在を認めた。しかも今回精製した酵素(65KDa)は分子量が既知の犬膵臓カリクレイン(38KDa)や犬尿カリクレイン(40.5KDa)と差異を認めた。N末端部分アミノ酸配列の決定をしようとしたが、N末端がブロックされていた。そこで犬心臓や腎臓から精製した酵素が自己融解した後にPVDF膜に転写し一部分解したバンドを切り出してアミノ酸シークエンスを行った。分析したアミノ酸部分配列の3個は、それぞれ既知のキニン産生酵素とは異なっていた。部分配列からミックスドプライマーを作製し、別途準備した犬心臓からのcDNAライブラリーを鋳型としてクローニングをはじめ、現在とれた遺伝子の配列分析の最中である。この新規の酵素は心臓のみならず、血管や腎臓などに存在しキニン産生やAngII産生に関与すると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Sasaguri,et al: "Structure of a kallikrein-like enzyme and its tissue localization in the dog"Immunopharmacology. 44. 15-19 (1999)
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[Publications] Sasaguri M and Arakaw K.: "Role of Kallikrein in Alternative Angiotensin II Formation""Receptors in Cardiovascular Disease"published in Mediphacs.Healthmark.. 5. 3-7 (1999)