1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670701
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮林 重明 東北大学, 医学部, 助教授 (20174203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 英伸 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60233409)
萩野谷 和裕 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (00208414)
|
Keywords | ミトコンドリア病 / ミトコンドリアDNA / 変異率 / 低酸素 / 高酸素 / 培養線維芽細胞 |
Research Abstract |
ミトコンドリア病の病因変異がミトコンドリアDNA(mtDNA)のtRNAに変異を持つ群としてMELAS(A3243G変異)、MERRF(A8344G変異)の2型と蛋白をコードする部位の変異を持つ群として、Leigh脳症の病因変異の一つであるT8993G変異に注目し、これらの変異を持つ患者の剖検組織、および生検筋組織、血液、尿沈渣細胞等の変異の割合を検討した。結果はtRNAに変異を持つ群は各組織毎の変異率が大きく違っており、とくに増殖系細胞群(血球、培養細胞、皮膚、脾臓)では変異率が低いことがわかる。しかし蛋白をコードする群の変異は増殖系を含め組織毎の変異率にはほとんど差を認めず、家族検索でも個体間の差は認めるが、組織間の差を認めなかった。つまり変異部位により組織特異性を認める群と組織特異性を認めない群とがあることが判明した。また同変異を持つ線維芽細胞の継代培養ではtRNAに変異のある群では培養を繰り返すことにより変異率が低下したが、蛋白コードに変異のある群では変異率はほとんど変化しなかった。 さらに、胎児の胎内での低酸素状態に着目し、胎内でのエネルギー代謝のほとんどが解糖系に依存するため、好気的なエネルギー産生を司るmtDNAの変異が卵細胞の分裂、組織の形成、発育に障害とならず排除機構が機能せず、変異の割合が高度で存在すると考えられる。低酸素と高酸素で培養することにより、変異mtDNAの割合の変化をもたらすかどうかを調べた。A3243G変異およびT8993G変異を持つ培養線維芽細胞を高酸素(培養液中のPO2が400〜600mmHg)にて72時間まで培養し経時的に変異率を調べた結果、1細胞で軽度の変異率の低下を認めたが、大きな変化は認められなかった。低酸素(PO2が65〜85mmHg)培養では変異率はほとんど変化を認めなかった。
|
-
[Publications] Hirai M.& Miyabayashi S.et al.: "Mitochondial dcoxyribonucleic acid 3256C-T mutation in a Japanese family with noninsulin-dependent diabetes mellitus." J.Clin.Endocr.Metab.83. 992-994 (1998)
-
[Publications] Kure S. & Miyabayashi S. et al.: "Mutation and polymorphic marker anlyses of 65K-and 67K-glutamate decarboxylasc genes in two families with pyridoxine-dependent epilepsy" J.Hum.Genet.43. 128-131 (1998)
-
[Publications] Mikami H.& Miyabayashi S.et al.: "Molecular analysisi of menthylmalonyl-CoA mutase deficiency : identification of three missense mutations in mui^0 patients" J.Hum.Genet.43. 35-39 (1999)