1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670731
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
木村 正彦 島根医科大学, 医学部, 講師 (00263533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 清次 島根医科大学, 医学部, 教授 (60144044)
|
Keywords | グルタル酸尿症2型 / 電子伝達フラビンタンパク / 脂肪酸ミトコンドリアβ酸化異常症 / 有機酸代謝異常症 |
Research Abstract |
今年度は以下の研究を行った。 1)10年度に引き続き申請者らが開発してきた尿GC/MS分析自動解析・診断システムを用い、アシルグリシン安定同位体希釈放でスクリーニングを行った。 2)皮膚線維芽細胞を行い10年度にイムノブロットでETF蛋白の欠損を確認した2例について、放射性同位体元素によるパルスラベリングーチェイス実験を行い、ETFαサブユニットとβサブユニット欠損をそれぞれ確認した。 3)遺伝子解析:皮膚線維芽細胞からRT-PCRによりETFαおよびβサブユニット遺伝子のcDNAを増幅しdirect sequenceを行った。1例にαサブユニット遺伝子764点変異(G→T,255glycine→valine,αG255V)が認められた。他1例ではβサブユニット遺伝子488点変異(C→T,154threonine→methionine,βT154M)。 3)脂肪酸β酸化能の検討 ^3H-ミリスチン酸、^3H-パルミチン酸の線維芽細胞の取り込みによる脂肪酸β酸化能の評価法を確立した。グルタル酸尿症2型4例について行い、新生児期発症がそれぞれ正常の5.3%と8.3%であり、他3例は40.0-68.5%,31.4-36.4%であった。 4)血液ろ紙を用いた血中遊離脂肪酸の分析方法を確立し、本症患者2例をテストしたところ、遊離脂肪酸のうち炭素鎖長C8,C10:1,C14:1のいずれも上昇することがわかった。 まとめ グルタル酸尿症2型のスクリーニング法として尿有機酸分析の自動解析・診断システム,アシルグリシン安定同位体希釈法、血液ろ紙を用いた血中遊離脂肪酸分析を開発し、確立した。 また、分子レベルの解析によって、日本初例となるαETF欠損症を同定し、世界3例目(2家系目)のβETF欠損症(日本と世界の2例目)を診断した。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] Kimura M.: "A personal computer-based system for interpretation of gas chromatography mass spectrometry data in the diagnosis of orgamic acidemias"Ann Clin Biochem. 36. 671-672 (1999)
-
[Publications] Kimura M.: "Automated metabolic profiling and interpretation of GC/MS data for organic acidemia screenng:a personal computer-based system"Tohoku J Exp Med. 188. 317-334 (1999)
-
[Publications] Kimura M: "Screening for fatty acid beta oxidation disorders Acylglycine analysis by electron impact ionization gas chromatography-mass spectrometry"J Chromat B. 731. 105-110 (1999)
-
[Publications] 山口清次: "GC/MS技術を応用した微量尿分析による有機酸代謝異常の多疾患診断・スクリーニング"小児科. 40. 1226-1232 (1999)
-
[Publications] 伊賀三佐子: "乳幼児の突然死と先天代謝異常症"小児科. 40. 1743-1751 (1999)
-
[Publications] 伊賀三佐子: "新生児有機酸代謝異常スクリーニングの検査時期の検討"日本医用マス・スクリーニング学会誌. 9(3). 31-37 (1999)
-
[Publications] 山口清次: "GC/MSを用いた代謝異常スクリーニング:効果的な新生児マススクリーニング支援"平成10年度厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書. 1/6. 371-373 (1999)
-
[Publications] 山口清次: "先天代謝異常に伴う新生児死亡とその対策"周産期医学. 29. 1483-1490 (1999)
-
[Publications] 山口清次: "先天代謝異常と突然死:その病態"小児科診療. 63. 400-407 (2000)