1998 Fiscal Year Annual Research Report
先天性高乳酸血症の分子生物学的病態解明とその臨床応用
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10670734
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 道徳 徳島大学, 医学部, 助教授 (40211057)
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Keywords | 先天性高乳酸血症 / ピルビン酸脱水素酵素 / 変量遺伝子 / 大量発現系 |
Research Abstract |
小児の難病の一つである先天性高乳酸血症の病因として頻度の高いピルビン酸脱水素酵素(PDH)α-サブユニット(E1α)異常症の治療は一般に困難である.しかし,変異E1αによるPDHの機能的異常に基づく病態を分子生物学的に解明することによって,本症の新しい治療法の開発が期待される。そこで,本研究では,まず変異E1αによるPDHの機能的異常を明らかにことを目的に,正常PDHの大量発現系の確立を試みた。クローニングした正常E1αと正常E1βのcDNAをE.coli発現ベクター内に挿入してE.coli内共発現ベクターを作成した。この作成したベクターをE.coli内に導入し,正常PDH蛋白を発現させた。このE.coli内で合成された正常PDHを精製し,大量の正常PDH蛋白質を獲得した。今後,この精製した正常PDH蛋白質を用いて酵素学的昨日検糖法を確立する予定である。また,これまでに作成した変異E1α遺伝子を含む変異E1α有核細胞発現ベクターをE1α異常症患者由来の培養リンパ芽球様細胞に導入し,変異E1α有核細胞発現ベクターを含むE1α異常培養リンパ芽球様細胞を選択し,現在酵素学的検討のために大量培養を行っている。さらに,現在変異E1αによるPDHの酵素学的機能異常を検討するための変異E1αと正常E1βの共発現ベクターの構築の構築を試みている。
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