1998 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症の髄膜炎症例から分離したインフルエンザ菌の分子疫学的解析
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10670745
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
満田 年宏 横浜市立大学, 医学部・付属病院・臨床検査部, 講師 (00264672)
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Keywords | 化膿性髄膜炎 / b型インフルエンザ菌 / 分子疫学的解析 / パルスフィールドゲル電気泳動法 / 遺伝的多型性 |
Research Abstract |
平成10年度の研究内容として、b型インフルエンザ菌(Hib)の多型性解析RFLPsに可能性のある各種分子疫学的解析法の至適化を試みた。1.パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法: まず、泳動条件を主体に検討した。SmaI消化後にHib菌は12-15の制限酵素切断断片となり、RFLPs解析をするのに十分な、情報量が得られた。この後、各種臨床分離株での疫学解析の検討を開始した。2.LA-PCR法: 非莢膜型で開発されたについても複数の制限酵素で検討を行い遺伝的多型性の出やすく、バンドの認識のしやすい条件の検討を行った。しかし、非莢膜型で見られたような多型性はHibでは見られなかった。3.randomly amplified polymorphic DNA(RAPD)解析:primerのデザインの改良とともに温度勾配の検討を行い、至適温度条件の検討を行った。比較的生物型に特徴的なバンドの検出に成功し、PFGE-RFLPs法ほどでは無いが、ある程度の有用性は持たせることが出来た。解析法の検討を本年度で終了し、今後は臨床分離株の検討に入る予定である。まず、関東・東海地区より分離された30株を主体にPFGE-RFLPs解析とRAPD解析を行う。さらに、その後全国分離株約100株について検討を加え、薬剤耐性傾向と分子疫学的解析手段の関係につて検討を加える予定である。
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