1999 Fiscal Year Annual Research Report
小児の前胸部誘導心電図の非特異的ST上昇の発現機序
Project/Area Number |
10670756
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
阿波 彰一 杏林大学, 医学部, 教授 (00010182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 美智男 杏林大学, 医学部, 助教授 (40167812)
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Keywords | ST上昇 / 前胸部誘導心電図 / 中隔電位勾配 / Action Potentinal / 興奮伝播過程 |
Research Abstract |
前胸部誘導、特に心の右前方より中間部即ち、V_2〜V_4(V_1〜V_5)のSTjunctionよりSTsegmentは生理的に0.1〜0.4mVは上昇する事は永く知られているが、その機序を明らかにするため一連の観察、実験を行った。 1.人でST最大上昇を示す前胸部誘導部位と心血管造影像、心超音波画像でみる心室中隔の水平面での回転の相対的な傾きの特徴はほぼ一致する。 2.心室筋のAction potentialの一般形とSodi-Pallares等による心室中隔から両心室全体への興奮伝播順序から作図した電位勾配のST-T時間帯での変化の進行からST初期で中隔前方付着部方向からみた電位勾配はST上昇に一致する。 3.動物実験(犬)で開胸後、心表面での電位地図を作ると左冠動脈前下降枝領域にそってST上昇か最も強く、心室中隔を縦方向に眺めた時の電位勾配に一致する。 4.現在、先天性心疾患の手術治療時の開胸時に同様のことが観察される事を収集中であるが、疾患の重さ、患者の大きさ、同意の必要性等々の制限によりその数はまだ充分ではない。
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