1998 Fiscal Year Annual Research Report
MDS,白血病化Fanconi貧血における骨髄移植前処置法の開発
Project/Area Number |
10670760
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
矢部 みはる 東海大学, 医学部, 講師 (40172514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 欽哉 東海大学, 医学部, 助手 (50276820)
矢部 普正 東海大学, 医学部, 講師 (70220217)
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 助教授 (70096212)
|
Keywords | Fanconi貧血 / MDS / 骨髄移植 / 抗癌剤感受性試験 |
Research Abstract |
FA患者末梢血リンパ球における染色体断裂による抗癌剤感受性試験 Fanconi貧血28例に対し,MMC,DEB,CYおよびAra-Cの染色体断裂試験を行い,白血化との関連や前処置法について検討した. Fanconi貧血患者の末梢血リンパ球を分離し,PHA刺激下,CY血清(0.04-0.8μg/ml)およびDEB(0.1μg/ml)添加後48時間培養,MMC(0.01μg/ml)添加後24時間培養,Ara-C(1X10^<-6>M)添加後6,24,48時間培養後に染色体分析を行い,染色体断裂の重症度を検討した.末梢リンパ球におけるCYの染色体断裂試験では個体差が大きくDEBの断裂の重症度とよく相関したが,白血化との相関は認めなかった.Ara-Cの染色体断裂試験を10例のFanconi貧血患者に行ったところ,gapやbreakなどの軽度の断裂が多く,aberrationも健常人と大きな差は認めない例が多かったが,一部重症の断裂を示す例もみられた.断裂の程度は6-24時間培養で最も重症度が高く,48時間培養では健常人と同様に,断裂が軽症化した.CYの至適投与量を症例毎に求め17例の症例に前処置としてCY20-120mg/kgの投与を行った. MDSの3例に前処置に,Ara-C8-12g/m^2を加えた.CYの投与量を調節することで粘膜障害が重症化する症例は,再移植例以外には認められず,HLA不一致群では拒絶が問題であり,CY投与量の増量を考慮する必要があった.Ara-Cは前処置の強化に使用しうる薬剤であり,今後,放射線照射に代わり前処置として使用できる可能性がある.
|