1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670762
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Research Institution | TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90138834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白岩 由美 (前田 由美) 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287339)
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70151313)
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Keywords | 脊椎性筋萎縮症 / 臨床的分類 / 遺伝子解析 / SMN遺伝子 / NAIP遺伝子 / 遺伝子欠失 / 修飾遺伝子 / 重症度 |
Research Abstract |
全国実態調査によって、わが国のSMAを臨床的に見直し、臨床的分類を再検討し、わが国におけるSMAの発生状況を調査した。日本筋ジストロフィーの協力のもとに、全国の国立療養所、大学病院、神経内科、小児神経科を有する病院に対して、患者数の調査を行った。120施設から筋疾患2,248例のうち、I型52例、II型例71例、III型36例、合計159例との回答を得た。同時に調査した福山型筋ジストロフィー(FCMD)は279例である。FCMDの頻度は人工10万に対して、2.89人であるので、SMAは人口10万あたり約1.6人と考えられる。さらに、インフォームドコンセントの下に、遺伝子の解析を行った。SMAの原因遺伝子であるSMN遺伝子と修飾遺伝子のNAIP遺伝子の変異を検討し、臨床的分類と対比した。諸外国ではSMN遺伝子のホモ接合性欠失はSMA患者の90%以上で認めている。我々は日本人患者89家系中78家系(88%)にSMN遺伝子欠失を認めた。50例の健常人ではSMN、NAIP両遺伝子ともに変異は証明されなかった。NAIP遺伝子は重症度と欠失の割合は相関し、諸外国ではI型の40〜70%であり、我々の日本人の結果は89例中40例(16%)と低く、日本人のSMAにおける欠失領域は諸外国に比して、NAIP遺伝子は領域を含まないと考えられる。また、SMAの修飾遺伝子であるH4F5遺伝子(C212)とSMN遺伝子のプロモーター領域に存在するC272を41家系で調べた。24家系(58.5%)のI型において、C272またはC212とC272の欠失を認めた。I型は広い遺伝子欠失領域をしめすことが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 斎藤加代子他: "脊椎性筋萎縮症"神経筋疾患遺伝子診断ハンドブック. 143-153 (1999)
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[Publications] 斎藤加代子他: "神経症候群・脊椎性筋萎縮[I型,II型]"日本臨床. 別冊. 364-370 (1999)
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[Publications] Smiraiwa Y,Saito K et al: "Clinical features and molecular genetic diagnosis of proximal spinal muscular atrophy in childhood"J.Tokyo Wom Med Coll. 68. 93-107 (1998)
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[Publications] 斎藤加代子: "小児神経筋疾患の遺伝相談"小児内科. 30. 1237-1244 (1998)
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[Publications] 斎藤加代子: "小児神経学-最近の展望・神経筋疾患"小児神経学の進歩. 27. 171-175 (1998)
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[Publications] 斎藤加代子,白岩由美: "脊椎性萎縮症の分子遺伝学"Annual Review. 191-197 (1998)