1999 Fiscal Year Annual Research Report
伸展刺激による線維芽細胞の増殖とコラーゲン代謝におよぼす影響の研究
Project/Area Number |
10670782
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 雅章 新潟大学, 医学部, 教授 (30115000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 隆 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (00204371)
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Keywords | 真皮 / 線維芽細胞 / 伸展刺激 / コラーゲン代謝 / 増殖 / myofibroblast |
Research Abstract |
培養条件の決定 線維芽細胞は手術で得られた皮膚辺縁の正常部分から分離した。継代6〜8代のものを実験に使用した。 コラーゲン・コート伸展刺激専用6 well培養プレートに2x10^4ないし1x10^5/wellの細胞密度で10%FCS-DMEMを用いてovernight培養。10ng/ml TGF-β含有ないし非含有の1%FCS-DMEM存在下で72時間培養後、5ないし10%cyclic stretchを行いつつさらに72時間培養した。cyclic stretch刺激は米国フレックス社製フレクサーセルFLX-systemを用いcyclic stretchを行った。 Cyclic stretchによる影響 cyclic stretchによりmyofibroblastのマーカーであるα-smooth muscle actinの発現量が減少した。TGF-βにより亢進させたその発現に対しても同様の効果があった。培養細胞濃度が低い方が、また伸展率が高いほうがその効果が高かった。10%cyclic stretchにおいてintegrin α2の発現は亢進したが、integrinα3の発現は逆に低下した。 培養上清中のmatrix metalloproteinase-1の濃度をELISA法により測定したところ伸展刺激により有意に増加。ただし、TGF-β存在下ではその効果はなかった。 細胞カウント上、これらの実験群間では明らかな増殖の差はなかった。 結果の解釈と今後の計画 cyclic stretchによりmyofibroblastへの分化が抑制され、コラーゲン分解系が亢進することが明らかとなった。未だ1症例のみの検討であるが、今後は症例の数を増やしこれを確認する予定である。
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