1998 Fiscal Year Annual Research Report
結合組織成長因子(CTGF)の強皮症病変形成への関与
Project/Area Number |
10670785
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
竹原 和彦 金沢大学, 医学部, 教授 (50142253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸一 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (20215792)
川原 繁 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (80186155)
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Keywords | TGF-β / CTGF / 強皮症 / 線維化 |
Research Abstract |
本年度は,トランスフォーミング成長因子(Transforming Growth Factor-β,TGF-β)によって誘導される新生マウスの皮膚線維化モデルに結合組織成長因子(Connective Tissue Growth Factor,CTGF)を同時に投与,あるいはTGF-β3日間連続投与後にCTGFに変更し4日間連続投与することにより不可逆的な線維化の誘導に成功した。また,CTGF単独投与されたマウスでは,CTGFmRNAの発現が観察されたことより,CTGFががautocrine機構によって皮膚線維芽細胞によって産生されることが証明された。 次に我々は,ヒト血清中に存在CTGF濃度で測定するELISAシステムを確立し,強皮症患者血清中で測定したところ,正常人に比較して有意な上昇を認めた。更に血清中CTGF濃度と皮膚硬化の重症度,肺線維症の有無とに相関を認め,実際に線維化疾患の代表ともいえる強皮症におけるCTGFの病因的関与が示唆された。 以上の結果,我々が提唱する二段階線維化仮説,すなわちTGF-βが強皮症における線維化を誘導し,CTGFによってその線維化が維持されるという仮説を強く支持するものであった。今後,我々の確立した動物モデルを用いて,抗CTGF中和抗体ならびにCTGFアンチセンスによる線維化誘導,維持の抑制についての研究を進め,最終的にはヒトの強皮症における画期的治療法の開発へと展開されることを計画している。
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[Publications] M.Hasegawa, S.Sato, K.Kikuchi, K.Takehara: "Antigen specificity of antihistone antibodies in systemic scierosis" Annals of the Rheumatic Diseases. 57(8). 470-475 (1998)