1999 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎に対するTIMP-2の予防治療効果の検討
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10670798
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Research Institution | Kagoshima Univ. |
Principal Investigator |
三好 逸男 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80253871)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / NCマウス / TIMP-2 / コナヒョウヒダニ / 経表皮水分喪失量 |
Research Abstract |
1.TIMP-2のアトピー性皮膚炎に対する治療効果の検討 (1)肉眼的検討。 コナヒョウヒダニ抗原28日間塗布によって湿疹病変を誘起されにNCマウスにTIMP-2を28日間連日塗布し,松田とleungによるマウスの皮膚病変重症度スコアを用いて,その効果を検討したところ,TIMP-2塗布4日日からコントロール群との間に重症度スコアの差が生じ,28日日までその傾向は続いた。12日目以後は統計上有意差(p<0.05)が認められた. (2)病理学的検討 組織学的にもTIMP-2塗布群では肉眼的効果と相応した所見が見られた。すなわちコントロール群に比べて,hyperkeratosis,acanthosis,spongiosisの減少,真皮血管周囲の小円形細胞浸潤減少を認めた。 (3)IgEの変化 塗布開始前,14日目,28日目ともコントロール群と有意差を認めなかった。 (4)TEWLの変化. 塗布開始前と28日目を比較したところ,TIMP-2塗布群で有意差(p<0.01)を認めた。 以上より,NCマウスのアトピー性皮膚炎に対してTIMP-2は治療効果を有すると結論した。 2.TIMP-2のアトピー性皮膚炎に対する予防効果の検討。 TIMP-2のケラチノサイト増殖効果を利用して,皮膚バリアー能強化をはかり,アトピー性皮膚炎発症の予防を検討した。NCマウスにTIMP-2を14日間塗布し,その後コナヒョウヒダニ塗布14日間にて湿疹病変を誘起させコントロール群と比較したところ,肉眼的,組織学的には差を認めなかったが,TEWL値では有意差(p<0.05)を認めた
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