1998 Fiscal Year Annual Research Report
長波長紫外線による皮膚角化細胞のサイトカインの発現調節と免疫抑制
Project/Area Number |
10670800
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
近藤 靖児 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30170426)
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Keywords | ケラチノサイト / IL-12 / IL-10 / UVA / UVB / 紫外線免疫抑制 |
Research Abstract |
培養ヒト皮膚ケラチノサイト(HuSK)に20kJ/m^2までのUVAを照射し,照射後種々の時間に細胞と上清を回収し,細胞より全RNAを抽出し,RT-PCRを行なった.PCR産物は1.5%アガロースゲル上で電気泳動を行なった.回収した上清は遠沈で細胞成分を除去し,IL-12 immunoassay kit(BioSource International)を用いて,蛋白量を測定した.その結果IL-12のp35 mRNAは常に発現し,UVAの照射に無関係であったが,p40 mRNAは20 kJ/m^2までのUVA量依存性に誘導された.内部コントロールとして用いた G3PDHの発現は変化を認めなかった.UVA10 kJ/m^2照射後の種々の時間におけるIL-12のp40 mRNAの発現レベルでは,6時間で既にp40 mRNAは誘導され,12時間後にピークとなり,24時間から48時間後までその発現が確認された.10 kJ/m^2照射後の種々の時間におけるELISA法で検討したIL-12の量は,照射6時間後から72時間後まで時間依存性に誘導が認められた.またIL-12の生物活性を調べる目的で正常人由来のTリンパ球からのIFN-γ誘導効果を検討した.その結果,UVAを10 kJ/m^2照射されたHuSK培養上清には.IFN-γ誘導効果が認められことより,生物活性をもつIL-12が産生放出されていることが確認された.同時に行なったIL-10のmRNAおよび蛋白はいずれも検出されなかった.今回の結果より,太陽光線に含まれるUVAとUVBはサイトカイン誘導に及ぼす影響に相違が認められ,従ってその免疫に及ぼす作用は,異なっている可能性が示唆された.今後,更にUVAにより調節,誘導されるケラチノサイト由来のサイトカインについての検討,およびin vivoでの確認が必要である.
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Research Products
(1 results)