1999 Fiscal Year Annual Research Report
尋常性天疱瘡におけるデスモグレイン3抗原特異的T細胞誘導とT細胞エピトープの同定
Project/Area Number |
10670804
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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Keywords | 尋常性天疱瘡 / T細胞 / デスモグレイン3 / HLA |
Research Abstract |
本研究の目的は、尋常性天疱瘡(PV)患者の末梢血リンパ球より自己抗原Desmoglein(Dsg)3に特異的なT細胞を誘導し、HAL拘束性とT細胞エピトープを同定し、その免疫学的特性を解明することである。 1)研究分担者天谷よりの14人のPV患者のHLAClassIIタイプは、全般(14/14)がDRB1^*14で、DQB1は85%(12/14)が^*0503で64%(9/12)が^*0301であった。これらは正常人に比較し有意に高値でありPVとの連関を認めた。 2)Dsg3蛋白は細胞外ドメインのEC1より40個づつのアミノ酸で15個アミノ酸を重複させた合計11個(Dsg3.1-11)のペプチドをMaltose Binding Protein(MBP)融合組換え蛋白として大腸菌発現系で作製した。 3)作製した11個のMBP融合rDsg3蛋白を抗原として14人のPV患者及び正常人の末梢血リンパ球(PBMC)をin vitroで1回刺激し、7日目の〔^3H〕-thymidineの取り込み能で反応性を判定した。その結果MBPと比較してPV患者及びDRB1^*14とDQB1^*05を有する正常人のPBMCがDsg3.9(residues201-240)及びDsg3.10(residues226-265)に強く反応(SI=1.9-2.7)した。 以上の結果よりPV患者及びPV連関HLA class II(DRB1^*14とDQB1^*05)を有する正常人の末梢血リンパ球にDsg3抗原蛋白に特異的反応するT細胞の存在が確認され、Dsg3の細胞外ドメインのEC2からEC3のアミノ酸配列がそのエピトープとなる可能性も示唆された。さらに今後Dsg3.9及びDsg3.10を抗原として天疱瘡患者及び正常人の末梢血リンパ球からのDsg3特異的T細胞株、細胞クローンの樹立とより詳細なエピトープの解析が望まれる。
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