1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670806
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 志斈 順天堂大学, 医学部, 講師 (40193198)
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Keywords | ダリエ病 / ヘイリーヘイリー病 / ATP2A2 / ATP2C1 / 遺伝子発現 / 定量的PCR |
Research Abstract |
1993年より我々は、ダリエ病(DD)遺伝子の同定を試みてきたが、1999年3月イギリスのグループによりDD遺伝子がsarco/endoplasmic reticulum Ca ATPase type 2 isoform(SERCA2、遺伝子シンボルATP2A2)であることが報告された。直ちに我々は、DDと臨床的・組織学的に部分重複を示すヘイリーヘイリー病(HHD)の遺伝子局在部位におけるCa pumpをコードする遺伝子を同定し、その遺伝子(ATP2C1)の変異によりHHDが生じることを証明した。次に正常皮膚におけるATP2A2の発現と、紫外線照射による培養角化細胞のATP2A2の発現の変化について、新しく開発されたRT-PCR器(ライトサイクラー)を用いて検討した。その結果、DDの皮膚症状が頻繁に見られる脂漏部位皮膚のATP2A2の発現量は、DDの皮膚症状が見られにくい非脂漏部位皮膚のその量の約40%と低下していた。また培養角化細胞に30mJ/cm^2のUVBを照射したところ、ATP2A2の発現は照射後1および3時間には約60%低下し、その後徐々に増加、12時間後にはもとのレベルまで復帰した。これらは、ATP2A2の発現の多寡によりDDの皮疹の分布が規定されている可能性と、夏季にDDが増悪する原因として紫外線によるATP2A2の発現量の低下が関係している可能性を示唆するものと思われた。
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[Publications] Hu Z et al (Ikeda S): "Mutations in ATP2C1, encoding a calsium・・・"Nature Genetics. 24. 61-65 (2000)
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[Publications] 黛暢恭、池田志斈: "正常ヒト角化細胞におけるダリエ病遺伝子・・・"日皮会誌. 印刷中. (2000)