1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670833
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 醇 金沢大学, 医学部, 教授 (50019915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野口 昌久 金沢大学, 医学部, 助手 (30283120)
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Keywords | 治療用核種 / Rh-105 / EDTMP / 転移性骨腫瘍 / 疼痛緩和剤 |
Research Abstract |
昨年度、原子炉によるRh-105の製造を報告した。今年度はRh-105-EDTMPの製造とこの化合物が転移性骨腫瘍による疼痛の緩和剤として優れた特性を持つことを実験的に確認したことを報告する。 Rh-105は物理学的半減期が35.4時間で、β^-線247keV(30%),560keV(70%)を放射し、γ線306keV(5%),319keV(19%)も放射するので核医学治療用核種として非常に優れた性質をもっている。この核種に、強い骨集積性を持つキレート剤EDTMP(ethyenediamine tetramethylene phosphonic acid)を作用させたところ簡単に結合し、この化合物は放射科学的に安定であり、製造後5日間は分解物等を認めなかった。ついで、この化合物の生物学的性質を調べるために、マウスに静注し、注射1時間後から96時間後にわたって主要臓器組織を摘出し、この化合物のこれら臓器組織への集積率を調べた。また静注1時間後までと3時間後までの尿中排泄率も求めた。その結果、Rh-105-EDTMPは骨に選択的に集積し、骨に取り込まれたこの化合物は非常にゆっくりと骨から排出された。血液、筋肉などの軟組織への集積は非常に少なかった。単位重量当りの骨取込率/各臓器組織取込率-比では、投与後の時間により異なるが、大腿骨/血液-取込率比は138〜6327、大腿骨/筋肉-取込率比は429〜1311、大腿骨/肝臓-取込率比は206〜351、大腿骨/脾臓-取込率比は429〜571、大腿骨/腎臓-取込率比は14〜64、大腿骨/肺臓-取込率比は118〜651であった。尿中への排出は投与1時間、3時間後で各々58%および61%であった。 これらの結果から、Rh-105-EDTMPは転移性骨腫瘍に起因する疼痛に対する優れた緩和剤になると推定された。
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Research Products
(1 results)