1998 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射後の腫瘍糖代謝の変化とアポトーシス出現率との関係についての検討-^1H-MRS乳酸計測を用いた評価
Project/Area Number |
10670839
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 正徳 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00166969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩彦 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10242596)
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Keywords | ^1H-MRS / in vivo / 乳酸 / アポトーシス / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実験移植腫瘍を用いて、放射線照射後早期にみられる乳酸濃度の低下をアポトーシスとの関連において再検討することにあるが、まず実験の最適条件を判断するための予備実験をおこなった。 1. In vivo ^1H-MRSによる腫瘍内乳酸濃度測定の安定性についての検討 ヌードマウスに移植したヒトリンパ腫由来の腫瘍で、in vivo ^1H-MRSによる乳酸濃度の測定を試みたが、腫瘍内の脂質による信号が乳酸のピークと重なり、乳酸の含有量を定量化することは非常に困難であった。そこで、腫瘍系をマウス由来のRadiation induced fibrosarcoma(RIF1)に変更して再度乳酸濃度の測定を試みた。TR=3000msec,TE=136msecのPRESS法を用い、5mm×5mm×5mmのVOIで計測した。腫瘍内の水分含有量が一定であると仮定した場合には腫瘍内の乳酸濃度を半定量的に評価可能であった。腫瘍内の乳酸濃度は8mg/gのブドウ糖を腹腔内に投与することにより増加し、投与後約120分で最高値に達した。このときの乳酸濃度はブドウ糖投与前の約2倍であり、ほぼ安定した結果が得られた。 2. 腫瘍の放射線感受性とアポトーシスの出現率についての基礎的検討 RIF1をC3H/Heマウスの大腿部皮下に移植し、直径が約10mmに達した時点で照射を行って、腫瘍体積が4倍になるまでの日数で効果を評価した。無処置群では4.5日であったものが10Gyの照射で7.3日に、20Gyでは9.6日に延長した。この結果から、20Gyの照射で腫瘍の約半数が死滅すると考えられ、アポトーシスの評価には10から20Gyが適当と考えられた。TUNEL法を用いたアポトーシスの定量的な評価を試みているが、結果が安定せず、染色の条件と画像処理の手法について再検討を行う予定である。
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