2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射後の腫瘍糖代謝の変化とアポトーシス出現率の関係についての検討-^1H-MRS乳酸計測を用いた評価
Project/Area Number |
10670839
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
吉田 正徳 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00166969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩彦 福井医科大学, 医学部, 講師 (10242596)
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Keywords | ^1H-MRS / in vivo / 乳酸 / アポトーシス / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究は、放射線照射後の早期にみられる腫瘍糖代謝の変化とアポトーシスの関係を解明することを目的としており、実験移植腫瘍を用いて以下の項目について実験、検討を行った。 1.放射線照射線量によるアポトーシスと乳酸濃度の変化についての検討 初年度の基礎的検討で、in vivo ^1H-MRSによる乳酸濃度の測定にはRadiation induced fibrosarcoma(RIF-1)が適していることが判明し、この腫瘍系で実験を行った。In vivo ^1H-MRSによる乳酸濃度の測定では照射線量の増大に伴いブドウ糖投与前とブドウ糖投与後の腫瘍内の乳酸濃度の比は低下した。一方、TUNEL法によるアポトーシスの検出結果では、RIF-1腫瘍でのアポトーシスの出現頻度が細胞死全体の1%以下であり、この腫瘍系でアポトーシスの変化について評価することは非常に困難であることが判明した。HE染色での壊死性の変化は10Gy以上の照射で認められ、30Gyまではほぼ線量に比例して増加した。乳酸濃度の変化と壊死性変化の割合には相関が認められた。 2.放射線照射後のアポトーシスと乳酸濃度の経時的変化についての検討 RIF-1腫瘍に20Gyの照射を行うと、18〜24時間後に壊死性の変化が生じ始めることがHE染色で確認された。アポトーシスについては出現頻度が低く、評価できなかった。In vivo ^1H-MRSによる乳酸濃度の測定では、照射後12時間から乳酸濃度の減少傾向がみられた。照射後24時間までは乳酸濃度はさらに低下してきたが、それ以後は壊死性の出血や細胞膜破壊によると考えられる脂質の増加のために^1H-MRSによる乳酸濃度の評価はできなかった。組織変化に先だって代謝の変化が生じており、乳酸濃度の変化が抗腫瘍効果の先行指標となることが示唆された。
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