1998 Fiscal Year Annual Research Report
SPECT用糖代謝機能診断薬剤の開発とその臨床適用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10670847
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間賀田 泰寛 京都大学, 医学研究科, 助手 (20209399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 貞彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70243011)
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Keywords | グルコース / 糖代謝 / SPECT / ヘキソキナーゼ / I-125 / グルコサミン |
Research Abstract |
臓器、組織におけるエネルギー産生系として糖代謝は生体がその機能を維持するために根元的な生化学的反応であり、診断対象組織の質的診断を目的とする核医学検査において、この糖代謝機能評価は重要な診断目標である。そこで、糖代謝の重要な基質であるグルコースを母体構造として、利用の広汎性の高いSPECTによる組織糖代謝機能診断用放射性薬剤の新規開発研究を目的として、本研究を計画した。そこでまず、本年度これまでにインビトロでの実験系により、所期の通りヘキソキナーゼの反応に対して拮抗阻害を有する事が確認されているグルコミサン誘導体であるN-(p-iodophenethyl)-glucosamine(IBGA)について、本年度購入したアルミブロックを用いて極微量での加熱標識反応の検討を行った。IBGAはその比放射能を高くする目的で、ヨウ素-スズ交換反応により標識することを計画したが、原料化合物の合成が困難であり、インビボでの有用性を評価する目的で、まずヨウ素ヨウ素交換反応によりI-125標識体を得た。分離精製はHPLCを用い、放射化学的収率65%、放射化学的純度96%以上で、I-125-IBGAを得ることが出来た。ついでその体内分布をマウスを用いて検討したところ、脳への移行は低いものの、心筋への高い取り込みを示した。この機序に関しては、来年度、ヨウ素-スズ交換反応の検討を会わせて行う予定であるが、グルコースの代謝反応に関与した心筋の画像化の可能性が示されたものであり、非常に興味深い結果である。また、本化合物を基礎として、さらにヘキソキナーゼの酵素中心に関与しうる化合物を、酵素結晶解析のデータより立体的に考察し、N-(p-iodophenyloctyl)-glycosamine(OIBGA)をドラッグデザインした。本カ号物は現在合成中であり、来年度中に合成を終了し、標識反応を行うと共に、その体内分布を検討する予定である。
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