1999 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性大脳白質病変の病態の研究ー剖検脳MRIと拡散強調画像を用いた検討ー
Project/Area Number |
10670850
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小川 敏英 鳥取大学, 医学部, 教授 (00125709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大濱 栄作 鳥取大学, 医学部, 教授 (50018892)
兒玉 富美子 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50304225)
木下 俊文 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (70314599)
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Keywords | MRI / 拡散強調画像 / leuko-araiosis / 脳血管障害 / アルツハイマー型老年痴呆 |
Research Abstract |
MRIで認められる leuko-araiosis の病理学的背景を明らかにする目的で、平成11年度はホルマリン固定後に剖検脳30例のMRIを撮像した。その結果、うち3例においてleuko-araiosisの所見を認め、いずれもBinswanger病によるものであった。病理学的には、半卵円中心を中心とする大脳白質は、髄鞘染色および軸索染色でびまん性の淡明化を示し、有髄線維は減少しアストロサイトの反応は乏しく、まだら状の分布を示していた。U-fiber および脳回内の白質は病変を免れるか、あっても軽度であったが、MRIはこれら所見を明瞭に反映し、その診断における有用性が確認された。 一方、エコープラナー法を用いた拡散強調画像による検討では、leuko-araiosis を認めた10例に施行した。その内訳は脳血管性痴呆 4 例、アルツハイマー型老年痴呆 3 例、intravascular lymphomatosis(IVL)2 例、Methotrexate 白質脳症 1 例である。IVLの 2 例のみが拡散強調画像で淡い高信号を示し、ADC値の有意な低下を認めた。この所見は、T2強調画像で血管障害と類似した所見を呈する IVL の診断に拡散強調画像が有用であることを示唆している。また、脳血管性痴呆とアルツハイマー型老年痴呆における白質病変の鑑別については、ADC 値の差違を検討するには今年度までの症例が少なく、平成12年度の症例の蓄積を持って評価する予定である。
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Research Products
(2 results)