1998 Fiscal Year Annual Research Report
多変量解析による脳内代謝物の拡散、濃度及び緩和時間情報に関する臨床有用性の検討
Project/Area Number |
10670854
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西谷 弘 徳島大学, 医学部, 教授 (50117206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健司 徳島大学, 医学部, 助手 (70274222)
三好 弘一 徳島大学, 医療短期大学部, 助手 (90229906)
原田 雅史 徳島大学, 医学部付属病院, 講師 (20228654)
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Keywords | Proton MRS / 多変量解析 / 拡散 / 緩和時間 / 因子分解 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
Proton MR Spectroscopy(MRS)を用いて脳内代謝物を定量化するほか、各代謝物の拡散能も算出し、これらの情報が臨床的に有用であるかどうか検討した。今回多変量解析は正常者における代謝物濃度と年齢や部位との相関性についての検討に用いた。Proton MRSで観察できる代謝物のうち、定量化を試みたものはNAA,total Creatine(Cr)、Choline含有物質(Cho)及びInositol(Ins)であり、拡散能はNAA,Cr,Choと水において測定を行った。 (正常者における加齢性変化と部位との相関) 正常者におけるNAA,Cr及びChoの代謝物濃度について年齢及び部位との相関性の検討をANCOVA,MANOVA及び因子分析を中心に施行した。ANCOVAではレンズ核においてNAA濃度と年齢に有意差が認められ、前頭葉では認めない。MANOVAにより前頭葉とレンズ核部の加齢に伴うNAA濃度変化に有意差が認められた。レンズ核における因子分析でNAA,Cr,Choを年齢の説明変数とすると80%が可能であるのに対し、前頭葉では40%と低値であり、代謝物濃度の加齢変化はレンズ核で相関性が高いと考えられた。 (拡散能に関する検討) 脳腫瘍患者における代謝物拡散能の検討では、NAA,Crの拡散能は正常者と大差なく、平均では軽度の低下が認められたが、水拡散能は著名な上昇をみとめ代謝物と水とでは異なる拡散能をとることが示唆された。 (まとめ) 今回は正常者を中心に測定方法の確認と統計処理を試みた。この結果は疾患による変化のベースラインデータとして使用することができる。加齢性変化と部位による検討では、正常老化の脳局所における相違を反映するのではないかと考えられた。拡散脳についても新たな臨床的パラメータとなりえる可能性が考えられる。
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Research Products
(1 results)