1998 Fiscal Year Annual Research Report
癌放射線療法に伴う晩発性正常組織障害の早期指標の開発
Project/Area Number |
10670858
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 誠 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60203840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠中 正光 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40253413)
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Keywords | 放射線障害 / 晩発効果 / 早期指標 / DNA合成促進 / 増殖関連遺伝子 / c-myc |
Research Abstract |
1. 腎における遺伝子発現法の開発 腎晩発障害の比較的早期の指標であるDNA合成促進をさらにそれに先立つ増殖関連遺伝子であるK-ras,c-fosおよびc-mycのmRNAレベルでの発現として捉える方法を検討した。K-ras, c-fosおよびc-mycのmRNAの発現増加は非照射マウスではそれぞれ3、1、1個体で認められた。照射24時間後マウスでは、9Gy照射例ではそれぞれ6、4、1個体が、12Gy照射例ではそれぞれ7、4、6個体が、また、15Gy照射例ではそれぞれ6、7、9個体が陽性であった。三者の中ではc-mycの陽性頻度が以前に検討した腎重量の低下と最もよく相関した。また、遺伝子の発現した個体がのちに腎晩発障害をきたすことの確認のため、左腎の半分と右腎の全部を照射し、24時間後に左腎を摘出して、増殖関連遺伝子測定用のサンプルとした。そして、照射した右腎のみとなったマウスの腎機能の変化をBUNの測定により長期に観察している。現在照射2ヶ月後までのデータが得られているが、まだ腎機能の変化はみられていない。以前に行った片腎照射マウスにおけるBUNの検討では、照射6ヶ月後より異常値がみられており、少なくとも6ヶ月以上の観察を要すると考えている。 2. 小腸晩発障害の早期指標 子宮頸癌患者の放射線治療後に生ずる小腸の晩発障害の臨床的検討をさらに進めた。治療中に頑固な下痢の生じた例は晩発障害のおこる率が高く、急性障害と晩発障害との関連性が示唆された。しかし、その障害の程度に関しては相関がみられず、他の指標の開発が望まれる。腎における知見の応用をめざし、実験動物の腹部に照射を行い、24時間後に照射された小腸と非照射小腸を取り出し、RNAを抽出してc-mycの発現の有無を検討しているが、これまでのところ傾向のあるデータは得られていない。
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Research Products
(1 results)