2000 Fiscal Year Annual Research Report
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10670859
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井原 誠 長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)
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Keywords | DNA-PK活性 / 温熱処理 / 熱ショック蛋白質 |
Research Abstract |
二本鎖DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)は放射線照射によって生じるDNA二本鎖切断の再結合反応に重要な働きをしている。DNA-PKは触媒サブユニットであるDNA-PKcsとDNA二本鎖末端結合サブユニットであるKu70/80ヘテロ二量体からなる複合体である。DNA二本鎖切断が生じるとDNA末端結合サブユニットであるKu70/80がDNA二本鎖末端に結合し、さらにDNA-PKcsが結合する事によって活性型となり、種々の蛋白質をリン酸化する。 DNA-PK活性は温熱処理に対して感受性である。この原因はDNA-PK複合体のKu蛋白質が温熱処理によって失活するためである。熱失活したDNA-PKは細胞を37℃で培養すると回復する。この回復は熱失活したKu蛋白質に熱ショック蛋白質(HSP70)が作用してシャペロン機能によって修復されることによることを明らかにした。 今年度の研究では、構成型熱ショック蛋白質(HSC73)の構造遺伝子をRT-PCRで単離し、上流にCMVプロモーターをつないでHSC73蛋白質を高発現するプラスミドを作成した。このプラスミドをDNA-PK活性を持つ細胞に導入した。この熱ショック蛋白質高発現系細胞でのDNA-PK活性の熱失活は非発現系細胞と比べて変化しないことを明らかにした。即ちHSC73は細胞内に大量に存在してもDNA-PK活性の熱失活には影響しないと考えられる。現在、この熱ショック蛋白質高発現系では熱失活したDNA-PK活性の回復が非発現系より早く行われるかを検討している。
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[Publications] 奥村寛: "高LET放射線に対するDNA-PK依存の致死障害回復"長崎医学会雑誌. 75. 249-250 (2000)
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[Publications] Okumura,Y.: "Thermptherapy : Principle and Practice."Ed.by Kosaka,M.,Sugahara,T.,Schmit,K.L.and Simon,E.Springer-Verlag Inc.. 4 (2000)