1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670860
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 邦昭 長崎大学, 医学部, 教授 (80039536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 功 長崎大学, 医学部, 助教授 (70187475)
坂本 一郎 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (00225806)
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Keywords | 大動脈解離 / Penetratind aortic ulcer / Spiral CT |
Research Abstract |
大動脈解離20例についてSpiral CTと血管造影を行い、両者を比較検討しspiral CTから得られるvolume dataを利用した3次元血管造影法(CTA)の有用性について検討した。 20例中Stanford A型は6例、B型は14例;解離腔開存型は15例、血栓閉鎖型は5例であった。CT装置はシーメンス社製SOMATOM PLUSを用い、Maximum-intensity projection(MIP)及びMultiplanar reconstruction(MPR)を用いて再構成画像を作成した。 検討の結果、解離腔開存型の大動脈解離でのStanford分類は血管造影とCTAは15例全例で一致した。主要な大動脈分枝と解離との関係についての血管造影とCTAの評価は、70分枝中68分枝で一致した。Entry/reentry、交通口およびULPは各々血管造影で見られた26カ所、4カ所、8カ所中22カ所、1カ所、6カ所をCTAで指摘することができた。 PAUの症例は今年度1例を加えて合計13例になった。1986年Dr.Stansonによって動脈瘤および大動脈解離とは全く異なる第3の病態であるとして提唱されたPAUの疾患概念について我々は独自の考えを提唱した。すなわち、PAUは大動脈解離と大動脈瘤との上にまたがって存在し、overlapがある。これら3者の関係を示すシェーマを画いた。大動脈解離の中に、2腔開存型と血栓閉鎖型とが含まれ、後者の中に含まれるAortic Dissection without Intimal Tearは、小さな円にならざるを得ない。 今年度は大動脈解離やPAUの剖検例はなく、それらの疾患についての病理学的検討はまだ行われていない。来年度に期待し、また、他疾患での死亡例でもvasa vasornmのmicroangioを行って疾患の本体の解明に努力したい。
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Research Products
(1 results)