2000 Fiscal Year Annual Research Report
統計学的画像解析法(SPM)によるアルツハイマー型痴呆の早期自動診断法の開発
Project/Area Number |
10670862
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
陣之内 正史 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (60154423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 康 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20212897)
長町 茂樹 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (40180517)
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Keywords | アルツハイマー病 / 痴呆 / 脳血流 / SPECT / SPM / 3D-SSP |
Research Abstract |
アルツハイマー型痴呆の脳血流SPECTを用いた早期診断法の開発を行った。統計学的画像解析(Statistical Parametric Mapping,SPM)を利用して、前年度までに作成した正常者脳血流SPECTデータベースを基に、痴呆例に対し症例ごとの診断能を検討した. アルツハイマー型痴呆の疑われる初期例〜進行例を対象に脳血流SPECTを行い、対象の選択は精神科石田が担当した.脳血流SPECTは、現有の3検出器型SPECT装置PRISM3000とODYSSEYを使用した.標識した^<99m>Tc-HM-PAOの740MBqを静脈投与、5分後よりデータ収集した.^<99m>Tc-HM-PAOの調整、投与、SPECTデータの作成は長町が担当した.ODYSSEYから、平成10年度購入したSPM処理装置(PCG-803)へデータ転送し、標準脳への正規化、平滑化を行い、SPM解析用の画像データを作成した.変換解析処理、結果の判定と臨床所見との総合判定は陣之内が担当した.また、今年度の新しい試みとして、別の統計学的画像解析法である3D-SSPを用いた解析も行い、SPMと比較した。3D-SSPは今年度購入のPCを用いた。正常者脳血流SPECTデータベースは、SPMと同じものである。 データベースを基にした症例毎のSPMの診断能は高く、中等度から高度進行例では特徴的なアルツハイマー病のパターンを検出可能であり、初期例でも後部帯常回の特徴的低下が検出された。SPMの問題点として脳萎縮の強い例ではアーチファクトが生じるが、3D-SSPでは認められず、大脳皮質領域を対象とする場合はSPMよりも3D-SSPの方が優れていることが確認された。 以上、アルツハイマー型早期痴呆の早期診断法として統計学的画像解析法は有用であり、特に高齢者が対象となる場合はSPMよりも3D-SSPが推奨される。
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Research Products
(1 results)