1998 Fiscal Year Annual Research Report
C-11酢酸による肺癌の低酸素状態の測定と放射線感受性、多剤耐性発現との関連性
Project/Area Number |
10670874
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
東 光太郎 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50189750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50271375)
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Keywords | 肺癌 / P-糖タンパク / C-11酢酸 / F-18FDG / ポジトロン断層法 |
Research Abstract |
インフォームドコンセントの得られた未治療の肺癌外科的切除予定者を対象として、術前にC-11酢酸を用いたポジトロン断層法を施行し肺癌の生体における酸素代謝を測定した。さらにF-18FDGを用いたポジトロン断層法を施行し肺癌の生体における糖代謝活性を測定した。肺癌外科的切除後、抗癌剤耐性関連タシパクであるP-糖タンパクに対するモノクローナル抗体(jSB-1)を用いた免疫組織化学染色法にて切除肺癌組織内のP-糖タンパクの発現を定量した。肺癌のP-糖タンパクの発現は肺癌の分化度と関連があり、分化度の高い肺癌はどP-糖タンパクの発現は高い傾向が認められた。特に最も分化度の高い細気管支肺胞上皮癌のP-糖タンパクの発現は、他の肺癌よりも高い傾向が認められた。肺癌のP-糖タンパクの発現と肺癌の糖代謝活性との間には有意な負の相関関係が認められ、糖代謝活性の低い肺癌はP-糖タンパクの発現が高い傾向が認められた。特に細気管支肺胞上皮癌は、糖代謝活性が低くP-糖タンパクの発現が高かった。すなわち、肺癌の糖代謝活性を測定することによりP-糖タンパクの発現の程度を非侵襲的に推測することが可能と思われた。今後は、肺癌の生体における酸素代謝と糖代謝活性との関連性および酸素代謝と放射線感受性との関連性について検討する予定である。
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