1999 Fiscal Year Annual Research Report
定位置放射線治療及び192Ir高線量率小線源による肝癌照射の基礎研究
Project/Area Number |
10670875
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大口 学 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10176852)
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Keywords | 192Ir高線量率照射 / 定位放射線治療 / 日本白色家兎 / VX2腫瘍 |
Research Abstract |
本研究の基礎実験として、本年度はまず日本白色家兎の肝臓に対する照射をおこなった。健常家兎を麻酔下にて、カテーテルを肝臓に挿入し192Irアプリケーターと置換した。線源中心より10mmの点をリファレンスポイントとし、この点に30Gy照射されるようにコンピューター(PLATO)にて線量分布の計算を行った。照射後1ヶ月に麻酔下に解剖し肝臓を摘出した。肉眼的観察にて照射された肝臓は放射線壊死に陥っていることが確認された。線源から30mm以上離れた部位では放射線による傷害はほとんど認められなかった。以上より腫瘍モデルにおける192Irによる肝臓照射の実験は実行可能と思われた。次にVX2腫瘍細胞を門脈内に注入し肝癌モデルの作成を試みた。しかし、移植された細胞は肝臓内で多発性に増殖し192Irによる腫瘍内組織内照射はほとんど不可能であった。やむなく移植方法が確立している大腿皮下に腫瘍を移植し実験モデルとした。移植後、腫瘍径が30mmになった時点で192Irによる組織内照射を施行した。線量は線源中心より5mmの点として各々10Gy,20Gy,30Gyを照射した。照射後1週間に麻酔下に解剖し、腫瘍を摘出した。肉眼的観察では10Gy,20Gyでは照射による効果不十分であり、30Gy以上はの線量が必要と思われた。以上の実験結果より、肝臓でも192Irによる組織内照射による治療は施行可能と考えられた。次に定位的放射線治療による肝臓照射も試みたたが、麻酔下でも呼吸性移動を無視することはできず、この方法で肝臓の一部に正確に照射することはほとんど不可能と思われた。
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