1998 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内血管増殖因子受容体のブロックによる温熱治療効果の増強
Project/Area Number |
10670877
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
長谷川 武夫 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (80077784)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管増殖因子 / 血管増殖因子受容体 / 血管新生 / 抗腫瘍効果 / 温熱治療 |
Research Abstract |
本研究は腫瘍血管増殖因子の確認と血管増殖因子受容体のブロックによる温熱効果の増強を確認することである。悪性腫瘍は増殖能が大きく細胞分裂に必要な栄養や酸素等が不足すると細胞分裂を停止した細胞(GO期)が増加する。そこで温熱を加えると腫瘍血管が損傷を受け血流低下に伴う低pH、低血流、低酸素状態が更に進み腫瘍は生存するために血管増殖因子を放出して腫瘍内に血管を引き込もうとする。この時腫瘍血管増殖因子受容体を投与すると、腫瘍は血管が新生されたと感じて細胞分裂を開始(GO期細胞も細胞分裂周期に移動)する。しかし、実際には血管新生はされておらず、低栄養低酸素のため分裂途中で分裂不能になり死亡する。以上の内容を確認するために以下の実験を開始している。 現在、人臍帯(インフォームド・コンセントは行われている)より剥離した血管内皮細胞の培養条件を検索中である。血管内皮細胞による血管増殖因子の抽出と分離した血管増殖因子の血管増殖能を調べる目的で兎の眼球角膜への注入後の血管新生速度測定を開始した状態で、現時点では実験中であり結果は得られていない。 今年中に行う実験は(1)血管増殖因子を同定する。(2)血管増殖因子受容体を同定する。(3)血管増殖因子受容体を担癌マウスに投与して腫瘍縮小効果を測定する。(4)温熱効果の増強を確認する。以上の実験を行い血管増殖因子受容体投与による抗腫瘍効果を確認する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 長谷川武夫: "麻酔剤(ペントバルビタール)の温熱効果に対する影響" 鈴鹿医療科学大学紀要. No.5. P92-P100 (1998)
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[Publications] 長谷川武夫: "静磁場による組織血流の上昇" 鈴鹿医療科学大学紀要. No.5. P163-P168 (1998)
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[Publications] 長谷川武夫: "足裏のツボ刺激による特定臓器の血流増加(サーモグラフィー温度画像による体表温度の確認)" 鈴鹿医療科学大学紀要. No.5. P169-P175 (1998)
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[Publications] 具 然和: "ICRマウスの器官形成期において温熱が及ぼす奇形及び胚死亡への影響" 鈴鹿医療科学大学紀要. No.5. P60-P68 (1998)
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[Publications] Ihibong CHOI: "Malformation and Embryonic Death in ICR Mice after Mild Hyperthermia." Japanese journal of Hyperthermic Oncology. 14・4. P235-P243 (1998)