1999 Fiscal Year Annual Research Report
放射光単色X線を用いた医学診断システムのための光学素子の開発
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10670880
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 克之 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10129158)
安藤 正海 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30013501)
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Keywords | 単色X線 / 積分反射強度 / 表面研磨 / シリコン結晶 / 多層膜光学素子 / 非対称反射 |
Research Abstract |
今年度は、照射野、積分反射強度が大きい単色X線を得ることができる分光素子の開発を行うために、 1.表面研磨を行った大型のシリコン結晶の物理的特性の評価 2.シリコンを基盤とした大型の多層膜光学素子の物理的特性の評価 を行った。大型のシリコン結晶に関しては、得られる単色X線のビームサイズを大きくするために非対称に切断した111面、311面、511面に対して、昨年度の実験結果から得られた知見により800番から2000番までの塗粒の大きさのシリコンカーバイトで研磨して、33keV-50keVの単色X線で積分反射強度を測定した。このとき、研磨時間や研磨時の結晶への荷重などの研磨の物理的条件を変えたときの積分反射強度の変化についても測定した。また、イメージ・インテンシファイアーCCDテレビ系を用いて、これらの結晶から得られる単色X線によるファントームの撮影により、画像上の空間分解能、濃度分解能の評価を行った。これらにより、実用的な分光結晶を製作するための研磨条件を決めることができ、放射光を用いた臨床応用にも利用できた。多層膜光学素子については、積分反射強度の測定を行なうとともに、上記と同様に画像上の空間分解能、濃度分解能の評価を行った。来年度は、さらに実用的な分光素子の開発を目的として、これらの分光素子を用いて得られる単色X線の照射野内の強度の均一性やエネルギー分散、画像上の空間分解能、濃度分解能などの定量的評価を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)