2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射光単色X線を用いた医学診断システムのための光学素子の開発
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10670880
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Research Institution | HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION |
Principal Investigator |
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 克之 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10129158)
安藤 正海 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30013501)
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Keywords | 分光素子 / 単色X線 / 放射光 / 冠動脈検査 / 積分反射強度 / 空間分解能 / 濃度分解能 |
Research Abstract |
本年度は、照射野を拡大するために非対称に切断した大型の分光素子の表面を、得られる単色X線の積分反射強度を大きくするためシリコンカーバイトまたはアルミナの種々の大きさの塗粒で研磨し、そのとき得られる単色X線画像の空間分解能、濃度分解能を、MTFチャート、血管ファントーム、骨ファントムなどを使ってPF-AR放射光により定量的な評価を行った。その結果、1200番の塗粒で研磨したものは、X線エネルギーが33keVのとき積分反射強度を約10倍向上させることができるとともに、例えば、2次元動画像診断を行うためにイメージ・インテンシファイアーテレビ系を撮像系として用いる静脈から造影剤を注入する冠動脈検査において必要な空間分解能、濃度分解能を得られることがわかった。また、同時に照射野内のX線フォトンの強度分布についても定量的な評価を行った。この成果は、長さ650mm、幅80mmの大型非対称反射シリコン結晶に応用でき、PF-ARで実施されている静脈から造影剤を注入する安全で簡便な冠動脈検査システムの実際の臨床応用に用いることができ、縦120-140mm、横75mmの照射野を持つ単色X線を得ることができている。多層膜素子に関しては、照射野の拡大や積分反射強度の増大が実際に可能であることを確認できた。積分反射強度曲線の半値幅は33keVで、研磨した結晶に比較して、6倍程度であった。しかし、画像上での強度分布は、不均一であることもわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 兵藤一行,安藤正海: "放射光単色X線を用いた冠動脈診断システムの開発"Photon Factory News. 18・3. 28-32 (2000)
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[Publications] K.Hyodo,M.Ando 他: "Development of the two-dimensional Imaging system II for intravenous angiography"Abstracts for 7th International Conference on SR Instrumentation. 214 (2000)