1998 Fiscal Year Annual Research Report
Anorexia nervosaの治療経過における描画の変化について
Project/Area Number |
10670894
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
猪子 香代 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80168476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本城 秀次 名古屋大学, 教育学部, 教授 (90181544)
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Keywords | 摂食障害 / 神経性拒食症 / 児童青年期 / うつ病 / 不安性障害 |
Research Abstract |
Anorexia nervosaは、自らの節食による体重減少、ボデイ・イメージの障害、月経異常、および合併するうつ病、不安障害、そして強迫性障害によって特徴づけられる。 臨床的に、高度のやせの認められた症例が身体的に回復した後は、拒食の繰り返されることがなかったと同時に、孤独にみえた対人関係も改善されたといったことを経験している.一方で、いったん症状の軽減した患者4こも摂食障害にみられるのと同様の家族病理がかなり長期にみられるという見解がある。 今回、われわれは、Anorexia nervosaを呈して大学病院を受診した患児の治療経過をみることを目的とした。 臨床的検討については、身体的に回復した後も食物へのこだわりや問題の多い家族関係・友人関係をもつものと、身体的に回復した後に大きな問題を残さないものに二分できる。彼女らの違いを明らかにするために、研究計画を見直し構造化面接を計画した。合併するうつ病、不安障書、そして強迫性障害をより信頼のある方法で明確化しようと考えた。構造化面接と同時に質問紙法による検討も行いたい。彼女らの経過の違いが、合併するうつ病、不安障害、そして強迫性障害から予測されるものかどうかを研究したい。臨床的には、彼女らの合併するうつ病その他の障害は摂食障害を遷延化させる。 構造化面接の計画のため、面接のためのトレーニングその他の準備を行っているのが現在の状況である。彼女らの身体感覚の希薄さは特記すべきものであり、構造化面接によって彼女らの不安定な言語化を信頼性のあるものとしたい。
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