1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳内インターロイキン-6とアドレナリンおよびオピオイド受容体遺伝子発現の関係-ストレス反応における役割-
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10670895
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小森 照久 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (40178380)
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Keywords | 脳内インターロイキン-6 / 脳内アドレナリン受容体 / 脳内オピオイド受容体 / 脳内インターロイキン-6受容体 / ストレス / PCR |
Research Abstract |
今年度はストレスによる脳内α_1アドレナリン受容体の遺伝子量の変化を検討した。ラットに10、30、60、120、240分の拘束ストレスを負荷し、脳を取り出してPCR(poly-merase chain reaction)法を用いた。視床下部では30および60分の拘束によってα_1,アドレナリン受容体の遺伝子量が低下し、一方、中脳では60、120および240分の拘束によってその遺伝子量が増加した。こうした結果は、ストレスによる脳内α_1アドレナリン受容体の変化は部位によって異なることを示している。α_1アドレナリン受容体に関する従来の報告と合わせて考えると、視床下部におけるα_1アドレナリン受容体の所見は視床下部-下垂体-副腎皮質系の機能変化と関係しているのではないかと考えられる。現在β_1アドレナリン受容体、オピオイド受容体についても同様に検討を進めている。先行研究において同様のストレスを負荷したラットの同じ部位におけるインターロイキン-6およびその受容体の遺伝子量に関する所見を得ていて、これらを総合して、ストレス反応における役割を中心に相互の関係を検討する。さらに引き続いて、アドレナリン、オピオイド受容体の刺激、阻害を行ない、アドレナリン受容体、オピオイド受容体、インターロイキン-6およびその受容体の遺伝子量に対する影響を検討する。その後、培養細胞を用いたinvitroの研究によって脳内アドレナリン受容体、オピオイド受容体、インターロイキン-6およびその受容体の関係をより明らかにしていく予定である。
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