Research Abstract |
1. 幼若期から成熟期にかけての転移現象 (1) 右扁桃核並びに左扁桃核に双極電極を装着した,生後15日齢,18日齢,28日齢,40日齢,70日齢のWistar系ラットを用い,右扁桃核キンドリング(PSキンドリング)を完成し,翌日左扁桃核キンドリング(SSキンドリング)を実施した.キンドリング刺激は,後発射閾値を決定後,後発射閾値強度,60Hz,正弦波で行った.15日齢,18日齢は1秒間,30分間隔で刺激し,28日齢は3秒間,30分間隔で,40日齢,70日齢は3秒間,60分間隔で刺激した. (2) 各日齢におけるPSキンドリングとSSキンドリングの発作段階5が出現するまでの刺激回数は,いずれの日齢もSSキンドリングがPSキンドリングに比べ,有意に少なかく,陽性の転移現象が認められた. (3) PSキンドリングの発作段階5までの刺激回数に対してSSキンドリングの刺激回数の割合(SS/PS)は,15日齢,18日齢,28日齢,40日齢では,それぞれ0.34,0.17,0.31,0.38で,70日齢の0.51に比べて少なく,18日齢では有意に少なかった. (4) 初回刺激時と初めて発作段階5が出現時の後発射持続時間をPSキンドリングとSSキンドリングで比較すると,初回刺激時はSSキンドリングがPSキンドリングより延長している傾向があったが,15日齢のみ有意な差を認めた.発作段階5が出現時の後発射持続時間は,PSキンドリングとSSキンドリングの間で有意な差を認めた. 2. 今後の研究計画 (1) 生後15日齢,18日齢,28日齢,40日齢,70日齢のWistar系ラットを用い,右扁桃核キンドリングを完成後,70日齢で左扁桃核の再キンドリングを行い,幼若期に獲得された二次部位のてんかん原性が成長発達に伴い,影響を受けるかどうか,検討する予定である.
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