2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10670953
|
Research Institution | Kagawa Medical University |
Principal Investigator |
永井 雅巳 香川医科大学, 医学部, 助教授 (40180450)
|
Keywords | 二次性白血病 / 染色体 / ヒストンアセチル化酵素 |
Research Abstract |
原発性マクログロブリン血症治療経過中にMDSを経由して二次性の急性単球性白血病を発症した例について、臨床病態・染色体異常・分子機構について明らかにした。本例では、原疾患に対して、14年間の間に総計melphalan 880mg,vincrisitin 22mg,cyclophosphamide 3600mg,procarbazine 8800mg,adriamycin 100mg,MCNU 200mgの投与がなされたが、その後、MDSを経て急性単球性白血病を発症した。白血病細胞には、t(8;22)(p11;q13)転座が観察されたが、その形態学特徴として、赤血球貪食像が認められ、報告例のt(8;16)(p11;p13)と極似していたことより、本臨床的特徴は、8p11に局在する遺伝子によるものと考えた。次に本症例の白血化に関与する遺伝子を明らかにするために22q13に位置するp300遺伝子を用いてFISH法を行ったところ(京都府立医科大学 嘉数らとの共同研究)p300の一部が8p11に転座していることが明らかとなった。そこで、本二次性白血病症例では8p11に位置するMOZ遺伝子と、22q13に位置するp300遺伝子が標的となり、融合遺伝子を作っている可能性を考え、白血病細胞よりライブラリーを作成し融合遺伝子産物の構造を明らかにした(国立がんセンター 北林らとの共同研究)。以上の結果より、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)が二次性白血病の標的遺伝子となっている可能性が示唆された。
|