1999 Fiscal Year Annual Research Report
FLT3遺伝子膜近傍領域での変異が急性白血病に及ぼす臨床ならびに生物学的意義
Project/Area Number |
10670960
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横田 昇平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80231687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
薗田 精昭 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60206688)
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Keywords | FLT3遺伝子 / チロシンキナーゼ / 遺伝子変異 / 急性骨髄性白血病 / tandem duplication / 骨髄異形成症候群 |
Research Abstract |
FLT3遺伝子は急性骨髄性白血病(AML)の約20%でその膜近傍領域の一部の塩基配列が重複(tandem duplication:TD)という特殊な変異を来す。1年目に引き続きの2年目もこの変異の臨床的な意義、ならびに細胞の増殖にどのような変化をもたらすのかについて検討した。さらにトランスフェクションにより、野生型または変異FLT-3を培養株細胞に強制発現させ、各変異体について免疫沈降法によってキナーゼ活性を検討した。即ち変異体と野生型をそれぞれリポトランスフェクション(Lipofection,Gibco BRL)によりCos7細胞内に導入した。Cos7細胞を用いた異常リセプター蛋白の発現およびリン酸化の解析については、FLT3の遺伝子の傍膜貫通部に様々な長さの塩基配列を挿入した変異体を作製し発現される蛋白を解析した。挿入されたアミノ酸の配列にかかわらず、すべてでリガンドであるFLには非依存的に、FLT3受容体が重合し、そのチロシン残基がリン酸化することが明らかになった。これらの所見からTDは傍膜貫通部を伸長させることで、受容体としてのFLT3の機能を増強するものと考えられた。さらにFLT3/TD変異をもつAML患者白血病細胞をメチルセルロース培地で培養し、各種造血刺激因子の添加による影響をコロニー形成能(L-CFU)でパネル化して評価した。FLT3/TD陽性細胞はL-CFU形成能は陰性細胞より高く、陰性細胞がFLT3リガンドの添加によりコロニー数が増えるのに対し、陽性細胞では増加は見られず、先の蛋白発現実験の結果を反映するものとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iwai T,Yokota S,Nakao M,et al.: "Internal tandem duplication of the FLT3 gene and clinical evaluation in childhood acute myeloid leukemia. The Children's Cancer and Leukemia Study Group,Japan"Leukemia. 13(1). 38-43 (1999)
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[Publications] Kiyoi H,Naoe T,Nakano Y,Yokota S et al.: "Prognostic Implication of FLT3 and N-RAS Gene Mutations in Acute Myeloid Leukemia"Blood. 93. 3074-3080 (1999)
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[Publications] Kimura T,Sakabe H,Minamiguchi H,Fujiki H,Abe T,Kaneko H,Yokota S, et al.: "Interleukin-11(IL-11)enhances clonal proliferation of acute myelogenous leukemia cells with strong expression of the IL-11 receptor alpha chain and signal transducing gp 130"Leukemia. 13(7). 1018-1027 (1999)