1998 Fiscal Year Annual Research Report
急性移植片対宿主病(GVHD)発症におけるIL-18の役割
Project/Area Number |
10670974
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤盛 好啓 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20229058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60111043)
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Keywords | IL-18 / GVHD / 骨髄移植 |
Research Abstract |
同種骨髄移植後の重大な合併症である急性移植片対宿主病(GVHD)は、移植片に含まれるT細胞が宿主を認識し、Fas/Fasリガンド系またはパーフォリン系を経て組織を障害するが、このときIL-12、IL-2、IFN-γ、TNF-α、IL-6など多くのサイトカインが順次活性化されいわゆるサイトカインカスケートがGVHDの発症、進展にかかわり、またIFN-γ、TNF-α等のサイトカインは細胞障害性にも作用し、これらの要因が複合してGVHDの病像をおこす。 我々は、共同研究者の岡村が発見した、IL-18(IFN-γ inducing factor;IGIF)が急性GVHDのサイトカインカスケード一員をなすとの仮定に基づいて、急性GVHD患者血清中のIL-18濃度をELISA法で測定し、血清IL-12、血清IFN-γと比較した。その結果、血清IL-18は、白血病寛解期に低く、骨髄移植後も低値にとどまるが、急性GVHDをおこすと上昇し、治療で急性GVHDが軽快すると低下する。IL-18は感染では上昇せず、一方IFN-γは、GVHDのみならず感染で上昇することが多く、IL-18の変動の方が、急性GVHDと密接に関連していた。IL-12は急性GVHDの発症に関わるキーサイトカインとされているが、急性GVHDで血清レベルでの有意な変動はみられなかった。このようにIL-18は急性GVHDに関与しているサイトカインといえるのみならず、その病勢のよいマーカーとなることが示唆された(Blood投稿中)。 マウスモデルの検討でも、急性GVHDに一致して、血清IL-18が上昇し、同時にIFN-γ産生も上昇する。現在IL-18のGVHD発症における役割についてさらに詳しい検討を進めている。
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